Lack of Oxygen and Beyond

-Smalltalk on hypoxia biology-

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#5-低酸素誘発性の遺伝子発現変化と転写因子

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#5-低酸素誘発性の遺伝子発現変化と転写因子

遺伝子発現、蛋白質新生をともなう低酸素応答は時間や日の単位で表現型が明らかになってくる。このような低酸素応答においては細胞内の遺伝子発現の制御を司る転写因子の役割が大きい。

このような低酸素環境下に細胞が置かれたときに活性化することが報告されている転写因子はいくつか存在する。

hypoxia-inducible factor 1(HIF-1), NF-kB, AP-1, Egr-1, ATF4, NF-IL6などである。

最終的に細胞への酸素の供給過程は単純な拡散で行われるが、解剖学的に複雑に構成されている高等多細胞生物はすべての細胞が必要十分な酸素化を実現できるように特化した生理学的な仕組みを備えている。呼吸器は、酸素が赤血球中のヘモグロビンに移行するための場を提供する肺、横隔膜、その他の呼吸補助筋や酸素分圧を感知する神経上皮細胞などで構成されている。循環器は、酸素運搬媒体である赤血球、運搬エンジンである心臓、運搬路である血管で構成される。システムの適切な発達と維持のためにはおらく数千の遺伝子の調和のとれた発現が必要である。

低酸素ネットワーク.jpg

たとえばヒト臍帯由来血管内皮細胞を1%酸素分圧に曝露した時にそのmRNAの発現が有意に変化する遺伝子は3767個存在し、1.5倍以上増加する遺伝子は845個存在し、減少する遺伝子は1072個存在するという報告がある。(Blood. 2005,vol.105:p659-69.)。これらの変化を単一の転写因子で説明することはできないが、HIF-1は845個のうち245個の、1072個のうちの325個の発現変化に関わる転写因子であると報告されている。

hif-gene.jpg

HUVECを使った研究

HIF-1が低酸素誘発性の遺伝子変化において大きな役割を果たしていることがわかる

AdCA5とは持続活性化型のHIF-1aである。

(Blood. 2005,vol.105:p659-69.)

Written by bodyhacker

5月 7th, 2009 at 11:04 pm

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