台風なみの風雨を突いて土曜日から高知に行ってきました。

二日目,日曜日はすっかり晴れ上がり桂浜で坂本龍馬像を見学して帰阪しました。

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30年前からの知り合いの先生とも昨年に続いて話すことができました。
会のオーガナイズに関わった皆さんにあらためて感謝します。

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(日本人)」を読みました。

作家の橘玲さんによる日本人論です。
日本人による日本人論というと「自己言及のパラドックス」的な危険性もあるのかもしれないと思いましたが杞憂でした。

「(日本人)」は文字通り「かっこにっぽんじん」と読むそうです。「日本人」を「()」に入れて考えてみるという意味合いが込められています。
冒頭であるアンケートの結果が三つ提示されます。

「あなたは進んで国のためにたたかいますか?」「あなたは自国民(日本人)であることに誇りを感じますか?」の二つの質問です。
日本人の「はい」はそれぞれ15.5%と57.4%です。

極めつけは三つ目で,「権威や権力はより尊重されるべきですか?」という質問に対しては「はい」と答えた日本人はたったの3.3%です。ちなみにこの質問「アメリカ人」は59.2%で「中国人」は43.4%であっで,逆に「悪いこと」と答えた日本人は80.3%に及んでいました。

このような前振りから出発して社会学,政治学,生物学などなど多岐にわたる学問の成果を援用して淡々と「日本人」が語られていきます。といっても日本人はあくまでも人やヒトであり特に他の外国人と異なる性質を持っている訳では無いと云うことがまずは強調されます。
余りに広範な学術研究のサマリーとなっているため,読んでいるとこれが日本人論?という疑問をいだくですが,すこし読み進めると結局は一気に読み終わるほかに選択肢はなくなりその結果最後までたどりついてしまうので細切れ感は最終的には払拭されます。

要約すると

それでも「日本人的なもの」があるとすれば。,それはむしろ世間(ムラ社会)ではなく,世俗(神を信じずに功利的に生きる)の方にある。
日本人性の謎を解くカギは「空気=世間」ではなく「水=世俗」にある

という事になります。

この日本人論を援用して「医局制度」の現状なども十分に説明できます。「自由」「平等」「共同体」「功利主義」のキーワードを用いて医者の行動を説明することは十分可能です。医者といえ結局「ヒト」として行動しているにしか過ぎないのです。
医者は多くの日本人と同じで「権威や権力」に従うつもりなどありません。
加えて医者に特有な「一捻り」があります。この四月に研修を始めたばかりの医者でも30年以上一筋に診療に携わってきた医者でも医者は性別を問わず等しくある種の自尊心というか俗物性を持っています。有能な医者でも余り能力の高くない医者-発展途上の段階も含めて-でも,おしなべて自己評価は他人の評価より高いという特徴もあります。これが他の職種と異なる雰囲気をこの業界に醸しだしています。
かつては悪い不評判が立つと次の就職先に困るというようなしかけもあったと思いますが,今や少なくとも麻酔科の領域ではそういった制限は限定的だと思います。極端な話,京都を追い出されても東京で就職先が見つかります。免許の関係で医者はほぼ完全な実名主義原理に則っているにもかかわらず…

しかし,最後までこの本を読んだ「日本人」である読者が落胆させられる訳ではありません。最終章「自由のユートピア」では希望が明確に描かれています。

「退出不可能な閉鎖的なイエである「伽藍」を抜け出していつでも出て行くことのできる開放的な空間「バザール」へ向かうことは,個人としてはじゅうぶん可能だ」(参照)

ローカルな共同体のようなものからの退出を実現するのはなかなか大変だと思いますがやってみないことには始まりません。
というわけでよりグローバルなフレームワークの構築をやってみようと思っています。
もちろん皆がそうする必要はありません。「伽藍」の内側で満足な人もいるしそれが向いている人もいます。

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進行のスピード感は「「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)」などとよく似ているとおもいます。

読後感は「一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル」と似ていました。

この本「民主党の失敗」「福島問題」「ハシズム」までカバーして読者サービスにも余念がありません。
読むなら「今」です。

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今日6/18は京都大学の創立記念日でした。数年前から病院も休日体制となっています。理由はよく解りませんがどうもこの日に病院を開いてしまうと多くの職員に代休を支給する必要が出て収拾に大変手間取るということが理由の一つだときいたことがあります。
市内某所では記念行事が行われていたようです(参照)。
2007年にはこんなこともやっていたんですね。

(日本人)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

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