そもそも”nudge”という英単語を知りませんでした。
辞書を調べると動詞としては
To give a reminder to; to coax, encourage, or steer gently or by degrees in a desired direction (OED)
という意味合いがこの本での使い方としっくり来ます。
はNYTでやっているDr.Levittのblog(Freakonomics)のentryはこの本を見事な紹介となっています。(Nudge)(今日調べたら邦訳がありました(参照))
著者二人(Richard ThalerとCass Sunstein )は、シカゴ大学の先生でこの本は”行動経済学”についての書かれている本です。
彼らに寄れば”nudge”とは”any aspect of the choice architecture that alter people’s behavior in a predictable way without forbidding any options or significantly changing their economic incentives”ということになります。
”choice architecture“というのがkey wordになります。
そもそも人間は、皆がみんなAlbert Einsteinのように理性的に考える訳でないしMahatma Gandhiのような不屈の意志を持っている訳ではありません。普通の人間はながされ易く,低きに流れる傾向を持っていますーたぶんー。
経済学的な行動においても私たちは、homo economicusというよりはやっぱりhomo sapiensだと言う訳です。それに加えてわたしたちには”status quo bias“があります。いろんな選択肢があっても結局は、一種の規定値に寄りかかってしまう傾向を人間は示すのです。
医療の世界でもしかり。患者さんは,医療の供給者が示す選択肢の枠内で供給者が最も薦めるものーこれが一種の規定値(status quo)となりますーを選んでいる場合がほとんどです。ほんとのことを言えば医者だって全知全能ではないのでその患者さん個人にとって何が最良の治療法になるのかを事前にすべてわかっているわけではありませんというよりわかり得ないのです。
患者さんは、全身麻酔だけにしますか硬膜外麻酔を併用しますかとか聞かれてもたぶん答えに困ります。全身麻酔だけで手術をした方がよいと思えばそういう風にchoice architectureを構築して患者に提示するということになります。あくまでも決めるのは患者さんです。Libertarian Paternalismに基づいていますから。
この本の守備範囲はとても広くなっています。
PartIIIはHealth
11章ではhow to increase organ donationsと言うタイトルで臓器提供を増やすnudgeにが紹介されます。
圧巻はPartIVのFreedomです。
14章のshould patients be forced to buy lottery tickets ?
15章のprivatizing marrige
の章はぜひ読んだらいいと思います。
NYTに
Sometimes, What’s Needed Is a Nudge
という記事があります。
intensive care unitでのnudgeが紹介されています。
Your Plate Is Bigger Than Your Stomach などもnudgableな人間の行動の好例です。
こういったnudgesは決して巨額を投じた研究の結果生まれてくる訳ではありません。
ほんのちょっと肩をぽんとたたくような些細なnudgeがたくさんの患者さんに役立つこともあるというお話しです。
まあとにかく
読んでみてください。
amazonでたったの2679円で売っています。




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