今日もなんとか20時には研究室にたどり着きました。
4kgあると心安らかなのですが2kgない子の麻酔はすごく精神力を消耗しますね。
「がんとハイポキシア研究会」が11/26, 11/27に東京目白の学習院大学で開催されました。
今回で9回目です。
第1回の研究会-京都で行われました-の時代にはhypoxia-inducible factor 1って何?とかいう人が世の中に満ちていたし,HIF-1知っているよというクラスターの構成員でも「HIF=”低酸素”の印」という素人的なイドラに陥っているがたくさんいました。
この9年の間にHIFを知らない人は少なくとも生命科学の分野ではどんどん少なくなり低酸素でないHIFも浸透してきましたーこれをぼくらの研究会の貢献だと言いたいけど言うつもりはありませんけどー。
しかし,この分野基本的な問題でありながら解かれていないものはたくさんあります。そういった所をうまく補っていく研究をぼくはしたいと思っています。
こんな研究会ですが次回で10回目です。節目なので何かそぐう企画を近藤先生が考えてくれると思います。
今回での講演は三人の化学者の方々にお願いしました。
- 花岡 健二郎先生 東京大学大学院薬学系研究科薬品代謝化学教室 動物体内を可視化する近赤外蛍光ケミカルプローブの分子設計および開発
- 中村 浩之先生 学習院大学理学部化学科 がんの低酸素環境応答と分子標的
- 永澤 秀子先生 岐阜薬科大学創薬化学大講座薬化学研究室 がん微小環境モジュレータの創製を目指す創薬研究
考え方とかアプローチが違うのですごく新鮮に思えました。
今回の会で知ってびっくりしたことを列挙してみます。
- 研究室で使う位の量の化合物はベンチトップでヘルメットを被るでもなく合成できるのだということ。また一人で数百の化合物を作ってしまう学生さんがいるということ。
- 東大の薬学の花岡さんは東大の麻酔科の花岡先生の息子さんだということ。
- 学習院大学のグラウンドは朝から晩までホッケーかラクロスがやられていること。
- 実は中村先生がぼくより若いという事。
- 山の手線ではau-iPhoneに○が出て3Gに戻らなくなることがあること。
- 関東の大学はしつけのよい学生さんばかりだと言うこと。
- 関東の大学の院生はしゃべるのがとてもうまいということ。
- 門之園,口丸両氏が学生さんを焚き付けて下克上を狙っていると言うこと。
- 慶応の田久保さんが相変わらずさわやかなのに同じ慶応でも…の人がいること。また…な人に本来さわやか系の東大の武田さんが毒されていると言うこと。
などなどです。
京都からのお上りさんには東京は刺激が多すぎますね。
昨日は当直でした。
深夜に麻酔が終わったあと麻薬の数が足りないことに気づきゴミ袋と30分間格闘して掘り出しました。
医療用の麻薬の管理はもう少し規制を緩めた方が良いと思います。名前は「麻薬」で本当に麻薬であることには違いがないのですが妙な規制のおかげで現場は迷惑しています。
がんとハイポキシア研究会ですが第一回研究会から「議論」を重視しています。
今回もたっぷり4時間くらい時間を取りました。ぼくは腰が痛くなりましたがそれでもまだ「足りない」という猛者もいたようです。
また参加者の何人かの先生方からmailも頂きいままでにまして有意義な会だったと思います。
しつこいですが,次回は東京です。
きびしい突っ込みに白目をむく参加者
Cancer Reseachから二つ
NRF2 blockade suppresses colon tumor angiogenesis by inhibiting hypoxia-induced activation of HIF-1{alpha}
Cancer Res. January 28, 2011; doi: 10.1158/0008-5472.CAN-10-3007
さいきん Nrf2とhypoxia signalの論文がじわじわ増えていると思います。
Cancer Res. Jan 25. 2011; doi: 10.1158/0008-5472.CAN-10-3061
まだまだ寒いのですが確実に春が近づいています。