「立場」

On 2012/8/14 火曜日, in book, Lifehacking, by bodyhacker

今日早朝の雷雨

今日早朝の雷雨で京阪地区は大混乱でした。 という事はネットで知ったことで当直室で寝ていたのでぼく自身には全く影響はありませんでした。6時くらいに当直の看護師さんに電話で起こされました。瞬間停電があったとのことで手術室内のいろんな機会がアラームを発していたのです。スイッチを入れ直したらほぼ直ったのでそのまま二度寝をしました。この時点では京都市左京の雨はすでに止んでいたような気がしましたが全く覚えていません。 7時くらいに起きて外を見ると確かに地面は濡れていました。ネットで京阪地区の鉄道がほぼ全部止まっているのを知り手術室の看護師さんが予定通り出勤できるのかどうかなどで何本も電話をしました。果たして何人かの看護師さんは出勤できないということでしたが手術は予定通りと決めたところで何とか一息つきました。 ネットでの写真を見るとトンデモ無いことが起こっていたのですね。

オリンピックでメダルをとる事

ロンドンオリンピックが終わりました。テレビを全然見ていないので競技を観戦できたのは全部で5時間ほどでした。 運良くバレーの三位決定戦は最初から最後まで観戦できました。北京オリンピックの時はソフトボールの決勝戦を見たのがほとんど唯一でしたので似たようなものです。 そう熱心なwatcherではないのですが,女子卓球の銀メダルには感じるものがありました。 福原愛がメダルを取ってよかったと思いました。 メダルをとるのと取らないのでは歴史的な扱いが全く異なると思います。科学者がノーベル賞を取るのと取らないのでは歴史的な扱いが少なくとも日本では全く異なるとの似ていると思いました。 いくら偉大な発見をなしてもノーベル賞を逃せば出身大学の学生にさえ名前を想起してもらえなくなります。非情なものだと思います。 なので女子バレー,女子サッカー,女子卓球の人たちがメダルを確実に取ったのはよかったと思います。10年後でもメダルと共に活躍が想起されます。

彼女らの外国特派員協会での記者会見の記事も読みました。 やっぱり石川さんが一番しっかりしているのですね。

たくさんのおじさん達の欲望を背負ってよくがんばりました。

「立場」

この時期に合わせてドラマ「SHERLOCK」の第二シーズンの3編が日曜日に放送されていました。三作ともすばらしいできで堪能しました。 日曜日はぼくの唯一のテレビを見る日で,最近では大河ドラマの口直しに「薄桜記」,「王女の男」ときて「SHERLOCK」を見て寝るというパターンでした。

ハヤカワのミステリマガジンがこのドラマの特集をしていたので買いました。

向井万起男さんが「Dr. 向井のアメリカ解剖室」という連載を持っていることを知りました。

向井さんが見聞きした「アメリカ」をエッセイ風に綴ったものです。 第45回のタイトルは「立場」です。 向井さんは平成6年,46歳の時にアメリカの大都市(ググったのですが調べ切りませんでした)にある大学病院に留学をするのですがその時のご自分の微妙な「立場」と江藤淳の留学中のエピソードをネタにしたエッセーです。 江藤淳は

行為を受けることと,一人前の扱いを受けないことに甘んじるのとは別である。私たちは「サンキュー」を連発してばかりいる,半人前の「善良な」日本人にはなりたくなかった。

とかなり突っ張っていたのですが向井さんは

留学中ズッと好意を受け,「サンキュー」を連発していた

ような生活を送っていたのだそうです。

ぼくも留学中にとくに注意をされた経験もなく好きに振る舞っていたのですがそれでOKでした。「週刊個人面談」も免除されていました。広田に何か言ってもどうせ英語がヘタだから時間の無駄だと思われていたのかもしれませんし,ぼくの「立場」が以外と強かったのかもしれません。どうあれどこでも「立場」を確立する必要はあります。 そのためにはどこかでがんばって「人間の証明」をする必要はあります。アメリカでは日本での出身大学がどこかなど何の意味もありません。自分で自分を「証明」するかとんでもなく偉い先生の「保証」が付いていない限り誰も信用してくれません。

これは研修中の先生方にも当てはまるかもしれません。 どうでもよいと思えばぼくらも一見好意的に接します。どうせ二ヶ月とか長くとも一年も付き合えばそれ以降は少なくとも同僚としては一生に働くことはないのですから気楽なものです。本人は自分をどう評価しているかはぼくの評価とは無関係です。

「原典による生命科学入門」

紀ノ国屋で「原典による生命科学入門」 (ちくま学芸文庫)を見かけたので買ってみました。

取り上げられている論文は

  • 「神聖病について」ヒポクラテス
  • 「動物部分論」アリストテレス
  • 「動物の心臓と血液との運動に関する解剖学的研究」ハービイ
  • 「人間論」デカルト
  • 「実験医学序説」ベルナール
  • 「動物哲学」ラマルク
  • 「種の起源」ダーウィン
  • 「雑種植物の研究」メンデル
  • 「遺伝子説」モーガン
  • 「デオキシリボ核酸の構造」ワトソン,クリック

「デオキシリボ核酸の構造」はここからたどることもできます。

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ここ数年朝遅くまで寝ていることができなくなっています。
日曜日でも遅くとも7時には起きて活動を始めてしまいます。何も無ければ午前中は駅前のスタバ-徒歩10分-で仕事をします。休日は8時から開いているのですが一番乗りと思っても大抵人が何人かいます。9時,10時と遅くなるに従ってどんどんと席が埋まり11時にはほぼいっぱいになります。長居を決め込んでいる人も相当の割合いてあれで儲かっているのかこちらが不安になります。阪急池田のような田舎でもそうなのですから都会は大変そうです。
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日曜日の午後久々に家内と映画館に行きました。たぶん数ヶ月ぶりです。大阪駅の映画館で観たのは「ローマ法王の休日」。 イタリア映画です。こんな映画がよく公開できたなと思います。カトリック教会も随分鷹揚だと思いました。
病気療養中の法王が亡くなったので選考会が開かれたのですがなかなか決まらない。何度かの投票にしびれを切らした枢機卿達は無難な候補に票を集中させて新法王が選出されたのにその法王が…という内容です。
「偉く」なりたいと思う人はいくらでもいると思いますがそうなりたくない人もたぶん同じくらいの数いると思います。
日本の天皇は選考されてなるのではなく生まれた瞬間にそうなることがほぼ決まってしまいます。あの人達が極端に頭が狂わず一生をまっとうできるということはそれはそれで考察に値することではないかと思います。
日本には「位打ち」という呪詛の一形式があるそうです。(参照
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人間の進歩について 小林秀雄全作品〈16〉 論文の捏造が話題となっています。
小林秀雄に「真贋」という文章がありり以前にこのブログでも紹介したことがあります。(参照
査読に廻ってくる論文をその論文の枠の中だけで「真贋」を見分けるのは容易ではありません。データが気持ち悪いくらいにそろいすぎていて妙だ思ってもそれを理由にその論文を否定することはできません。実験データを全て提出してもらえば解ることもあるのでしょうが論文一つでいちいちそれをやっていたら収拾がつかなくなります。余りに汚いデータの論文を見るとウソはついていないのだろうと思いますが汚すぎて結論が導き出せるはずがないと判断しなくてはいけない場合もあります。
実はこの小林秀雄の小文も実は事実と微妙に異なるようです。(参照)もちろん小林秀雄が話が面白くなるように脚色したのでしょう。 日曜日に湯川秀樹と小林秀雄の対談「人間の進歩について」を読み返しました。 すごく新鮮で示唆に富む対談だと再認識しました。

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昨日はイチローの移籍ですごく盛り上がっていました。
新聞報道によれば彼は

「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降僕がいるべきではない。マリナーズのユニホームを脱ぐのは難しい決断だったが、環境を変えて刺激を求めたい気持ちになった」

というような事を話したそうです。
余りに長い間一つの組織にいるのはよくないと考えています。医者になってから長くとも3年で職場を変わってきたのですが今回はすでに8年目です。若い先生方主体の教室になるのがよいと思います。
自分を何からの理由で積極的に必要としてくれる職場に移れればそれはそれで幸せな事だと思います。
New York Timesによれば

“I came over here wanting to be a help and help this team win,” he said through an interpreter. “Whatever order that is, whatever position it might be, I am here to contribute.”

こんな気持ちです。
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Mountain Lionのダウンロードが進まないので今日はあきらめました。
日曜日に紀ノ国屋で幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人を立ち読みして買おうと思ったのですが止めました。
家に帰って,amazonで見てみたら古本がすごく安く出ていたのでそれを注文しましたー結果としてほとんど新品の本が送られてきましたー。
これ面白いです。第四章では高須クリニックの高須先生が登場して熱弁を振るっていました。
人間の進歩について 小林秀雄全作品〈16〉

幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人

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予告三塁打

On 2012/5/12 土曜日, in book, books, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

東京での議論の課題には鋭意とりくんでおります。

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あるブログエントリーを読みました。
自分のメモ代わりにもなると思い紹介しておきます。

「これからはローカルで勝てる人材こそ求められる」

だから、これからの時代に求められる人材は、「これからの時代を読める人物」ということになるのだけれど、それで言うと、まず「ローカルな関係をしっかりと築ける人」というのがキーだと思う。

ということで4つのポイントを挙げておられました。

  • 日本語がしっかりと話せる
  • 政治力(交渉力)がある人
  • 空間価値判断能力のある人
  • 物語能力のある人

麻酔科は外科系診療科と対立関係にあるものとして存在するわけではありません。麻酔科医は,患者さんの外科的処理がスムーズに運ぶために外科系の医師と協調していかねばならないのです。
それは一般論として日々手術室では外科系医師と「闘う」という局面があります。
「闘い」はほぼ白兵戦ですが,その局地戦に勝利しなければ活路が開かない場合があります。何かを推進しようとすればそれなりの権限を獲得する必要もあります。下からいくら立派なことを叫んでも埒が開かないケースでも上から一言で解決する場合がほとんどです-鶴の一声とはあえて云いません-。
そのためにはこの4項目。

  • 日本語がしっかりと話せる
  • 政治力(交渉力)がある人
  • 空間価値判断能力のある人
  • 物語能力のある人

ぼくは手術室の運営では「正論」で押すのを行動原理として採用しています。

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4年の研修の後に大学院に入学して20年です。結構長く研究をやってきました。
肩にのしかかっていた-と自分で思っていた-責任もひょうんなことからすべて清算できそうです。
残り数年いくつかの面で河岸を変えて自分のためにもう少しやってみようと思い始めてきました。
今まで取り組んだテーマは二つ。両方で少なくとも一本ずつ三塁打は打てたと思います。次のテーマでも三塁打くらい狙ってみようと思います。5年でたどり着ければ上出来でしょうか。予告三塁打。
場所と面子は重要ですかね,まずは。

WIRED (ワイアード) VOL.4 (GQ JAPAN2012年6月号増刊)
読みました。
特集は「biology bigbang!」480円です。
480円も出したくないという人は,

「生命科学。21世紀をサヴァイヴするために──『WIRED』VOL. 4発売に寄せて」
「Darwin for the DNA age」
「The Forgetting Pill Erases Painful Memories Forever」

は読んでみてください。

WIRED (ワイアード) VOL.4 (GQ JAPAN2012年6月号増刊) [雑誌]

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記

これも読みました。

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