「天地明察」を読んで

On 2011/8/29 月曜日, in book, Lifehacking, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

天地明察読みました。

話題になった本ですが少し時間が経っていてだいぶ安く買えました。
渋川春海を主人公とした江戸時代初期の改暦をめぐる物語です。
理系男子 渋川春海がさまざまな困難を乗り越えて最終的には 貞享暦への改暦に成功するまでの彼の遍歴が物語として描かれています。
小説として読むと途中すこし散漫なところもあると思いましたが,中盤から改暦がなると言う場面までは一気呵成に読めて大変堪能しました。
本を読まずともwikiのリンクをたどるだけで歴史的な経緯はすべて解ってしまいます。逆にこの本を読むとこのような歴史的な経緯もしっかりと記述されていてその意味では立派な理系小説になっています。

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NHKの番組で「空海と至宝」という三部の構成の企画がありました。録画したものを観ました。

室戸岬の御厨人窟(みくろど)で修行をして,最終的に悟りに到達した折りに,口に明星が飛び込んできたという記述が「三教指帰」 にあるのですが,その洞窟からその当時どのような星空が見えたかという簡単なシミュレーションが紹介されていました。
これまさに「天地明察」です。

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金曜日の島岡先生の講演会の様子はビデオ撮影しました。音がそのように保存されているか心配だったのですが十分内容が分かる程度には撮影,録音されていたようです。適当な処理をして近々公開を計画していますが,もうすこし時間をいただきます。

先生のいくつかの提言のうち印象深かったものの一つに,年齢や業績に関わりのない”論壇”が科学や医学の分野で形成されるべきではないかということがありました。
島岡さんはリアルな科学的な業績でも大変立派なものをお持ちですのでこういったセミナーでの講演も大変な説得力で聴衆に迫ることができますが,まだ駆け出しの大学院生や研修医の意見が議論の俎上に上がる場というものはありません。

例えばぼくが同じ事を研究室で語ったとしてもぼくの言説などには大きな注意は払われないのです。

また,特に臨床医学では,一種の「経験」がものを言う世界ですのでなおさらです。そういった論壇が樹立されてかつ麻酔記録が電子的にアーカイブされれば今の形の学会などの必要性などなくなりますよ (参照)。これに関しては,講演後,医学研究科に医学部卒後臨床研修無しに進学した大学院生とすこし個人的にも話しました。
また少なくともうちの大学の医学研究科の教授はこのキャリアアップセミナーでご自分の研究生活について独自の視点から順番で講演したらよいのでは無いかと思いました。参加者の人数で人気投票的になったりするかもしれません。臨床科では妙な動員がかかったりするかもしれませんがそれはそれで面白いです。皆さん忙しいので無理でしょうか,ははは。

講演会をご自身で振り返ったtweetsがあります。
参照1, 参照2
渋川春海はscientific drive に空海はmission-driveが原動力だった人達ですね。

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家内観るというので「神様のカルテ」を 観ました。これは何とも酷い映画ですね。
大学病院に行くと時間的な余裕ができるなどという妙な言説を世の中に拡げないでください。大学に異動して以来どんどん研究時間や自分の時間が少なくなっています。

天地明察

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