現在大津市の病院にいて新年から滋賀県北部の病院に異動するT先生と金曜日に夕ご飯を食べましたー例の中華ですー。同時期一緒に研究室にいてくれたN先生も参加してくれました。ちょうどその日O先生が学位の申請の手続きで研究科の教務に来て帰りに寄ってくれましたー偶然なのですがこういったことをsynchronicityと呼ぶのだと思いますー。

臨床でも研究でも大きな病院,研究室にいればそれだけで大きな手術の麻酔、良い雑誌に載るような仕事にあたる確率が大きくなるのはあたりまえですがだからといってどうといったことはありません。虫垂炎でも外科的な処置なしには救命できない場合もしばしばあります(参照)。研究でも,時間とお金を使えば或る程度結果が出ることは先生も理解できると思います。先生は研究と臨床のどちらがむずかしいと感じたでしょうか?ぼくは断然臨床の方が難しいと思います。米国で臨床をせずに研究だけしていた時期がありますが結構簡単にいろんなことができてしまいました。基礎研究に”命をかけている”と語る人がいますがそれは単なる比喩です。実際に基礎研究者が臨床医より寿命が短いなどということはありませんしー多分逆でしょうー体調が悪く実験を中断しても誰かの命が失われることもありません。臨床ではそうはいきません。

臨床で症例数や手術規模が先生のすることの価値の大きさと何らかの相関関係に有るということもありません。先生も新しい病院では喜びも悲しみも託して麻酔と麻酔科の運営に深入りしてみてください。

NHKの大河ドラマは「篤姫」ー2/3の放送は観たーから「天地人」にバトンタッチ。主人公直江兼続はなんと南魚沼市というか六日町で生まれ育ったということになっております。他に盛り上がるネタもないので六日町ではかなりの騒ぎのようです(参照)。じつはぼくは六日町で生まれて高校を終わるまでいました。「お六甚句」というろくでもないのがあって中学卒業まで運動会で全校で踊らされていました。二度とかえるまいと思って出てきた町ですが自分が年を取ってくるとそれなりに良いところだったなと最近では思っています。

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科学における”仮説”

On 2008/9/16 火曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

Cellからです。

A Brief History of the Hypothesis

科学における”仮説”の歴史を概説したものです。

論理実証主義”的な科学のとらえ方には古来多くの疑問が呈されてきたということの解説です。

ガリレオ、ベーコンと進んできてニュートンの”I frame no hypothesis”という言葉で代表される仮説の定立によらない帰納法的な方法論、ヒュームの懐疑論、ポパーの反証主義が解説され最後にラッセル、クーンの考え方が紹介されていきます。最後に反証主義が医学となじむかというような議論が行われています。

医学を”科学”だと考えて、医療の世界で反証主義を追及していったら療法を実際に患者に適応できなくなってしまいます。100%の完全な療法は存在せずある療法を施しても治癒できない疾患は存在します。例えばstatinが心血管系の疾病の発症を予防する作用を持つというclinical trialが成立したとしてもある特定の個人でstatinがまったく効かない場合が一例でもあればstatinの臨床使用が合理化されないとしたら製薬会社は成り立ちません。

このような場合、遺伝子を調べるとstatinの感受性を説明できる変化が見いだされそれによりstatinが効く人と効かない人を区別でき、特定の集団にだけstatinを使用すればいいということになりますがこれは一種のアドホックな仮説の援用とも言えます。悪く言えばその場しのぎの言い訳なのですがよく言えば、tailored medicineということになります。だからといっていろんな例外つまり反証は存在します。

このため医学は科学でなく芸術なのだという言い方をする人もあります。

多分このような問題は科学より大きな知識というような考え方を導入するする必要があると思います。

実はこの論文に書いてあるようなことは

“99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方” (竹内 薫)

ですべて解説されています。この本は話し言葉で記述されていて実際 iTune Storeでこの本の朗読版を購入することもできます。歩きながら本が”読めて”しまうわけです。

上記の論文の著者の一人David J. Glassの書いた本に

“Experimental Design for Biologists” (David J. Glass)

という本があります。結構おもしろい本です。

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