「匹夫不可奪志」

On 2011/9/18 日曜日, in book, books, Lifehacking, by bodyhacker

暑いです。

映画館に久々に出かけました。
観たのは「蛍火の杜へ」でした。
立ち見がでるほど大当たりーといっても映画館が小さいのですけどーです。
「うさぎドロップス」自分では観る予定だったのですが家内に反対されました。

見終わってロフトでほぼ日手帳の refilleを入手。今年はカバーを新調するのはやめました。

そのままMARUZEN&ジュンク堂書店へ。
書店に来たのも久しぶりです。
リトル・ピープルの時代
立ち読みしたら面白かったので買いました。
すごく腑に落ちる視点だと思いました。時間を見つけて読んだ方が良いと思います。
大きな「物語」が否定というか破壊とか「精神的な囲い込み」とかのキーワードに代表される時代精神って確実に医者の振る舞いにも影響しているね。

気になっていた「モレスキン 人生を入れる61の使い方」も読んでみました。これって要するに「ほぼ日手帳公式ガイドブック2012 どの日も、どの日も、大切な日。」のmoleskine版ですよね。

その後HERBIS PLAZA ENT のソニーストアで新発売のtablet端末を触ってきました。なんというかこれは微妙ですね。 “Reader”も入っているといってもあれではな〜。

iTunes Storeで村上龍メールマガジン「JMM」で連載中の冷泉彰彦さんの「from 911/USA レポート」をまとめたものが,iTunes Storeで電子書籍アプリとして売っています。
これ留学中から毎週読んでいますが,それを全部では無いけどまとめたものがたったの350円で読めてしまうわけです。
ブッシュ大統領によるトマホークミサイルによるアフガニスタン爆撃開始のアナウンスも自動車を運転中,高速道路への入るところで,ラジオからリアルタイムで聞いた記憶も思い出しました。
まとめて全部読むと感慨深いです。iPadでよかったです。

小林秀雄に「匹夫不可奪志」という文章があります。
1941年に雑誌「文学界」に掲載された評論というか随筆です。

大変短くどんなにゆっくり読んでも10分で読み終わりますので折に触れて何度も読み返します。
小林秀雄全作品〈14〉無常という事」の冒頭に収録されています。
文庫本にもなっていてこれは「Xへの手紙・私小説論」に収録されています。

論語の一節
子曰、三軍可奪帥也、匹夫不可奪志也。(子曰わく、三軍(さんぐん)も帥(すい)を奪うべきなり。匹夫(ひっぷ)も志しを奪うべからざるなり。)をネタにしたものです。
「三軍の大軍であっても元帥(大将)を捕縛してその指揮権を奪うことができる。しかし、1人の人民でもその意志を強引に奪い取ることはできない」という意味だそうですが小林秀雄はそう素直には解釈しないのです。

「君子の志すところと、匹夫の志すところとは、無論大変違いがあると考えていいが、匹夫の志でも、志である以上、奪うことは出来ない。これは非常に困った事であるが、虚心に人生に接すれば、まさしくそういうものである。
自分は悧巧だと己惚れたり、あの男は悧巧だと感心してみたりしているが、悧巧というのは馬鹿との或る関係に過ぎず、馬鹿と比べてみなければ、悧巧にはなれない。実につまらぬ話であるが、だんだんと自分と周囲に見付かる馬鹿の人数を増やすというやり方、実に芸のないやり方だが、ただそういうやり方一つで世人はせっせと悧巧になる

「どうも、余り解り切った平凡な事と思われるせいもあろうし、第一ぶつぶつ言う声が甚だ低音であるせいもあって、経験というものを、何かの為にする手段とか、何かに利用する道具とか思い勝ちな人には聞こえにくいのであるが、それは兎も角、いずれにせよ、経験の方では、ぶつぶつ言うのを決して止めない。それに耳を傾けていさえすれば、経験派にも先験派にもなる必要はない。この教訓は単一だが、深さはいくらでも増して行く様である。そして、あの世界がだんだんとよく見えて来る、あの困った世界が。それぞれの馬鹿はそれぞれ馬鹿なりに完全な、どうしようもない世界が。困った世界だが、信ずるに足りる唯一の世界だ。そういう世界だけが、はっきりと見えて来て、他の世界が消えて了って、はじめて捨てようとしなくても人は己を捨てる事が出来るのだろう。志を立てようとしなくても志は立つのだろうと思える。それまでは、空想の世界にいるのである。上等な空想であろうと下等な空想であろうと。それまでは、匹夫不可奪志也と言った人が立てた志はわかろう筈もないのである。」

こんなことがずらずら書いてるのですが自分の置かれている状況がそのたびに違うので自分でも一様に解釈出来ないのです。
よくよく考えると何が言いたいのか解らないけど読む度に何か解った様に思えるのは「当麻」「無常ということ」「徒然草」も同じです。
これ全部40歳の時の文章ですからね。

リトル・ピープルの時代
Xへの手紙・私小説論 (新潮文庫)

ちょっと早起きして結構仕事片付けました。原稿を読み込んでコメントを書いてく行く仕事です。火曜日に一斉に返事させてください。

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「天地明察」を読んで

On 2011/8/29 月曜日, in book, Lifehacking, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

天地明察読みました。

話題になった本ですが少し時間が経っていてだいぶ安く買えました。
渋川春海を主人公とした江戸時代初期の改暦をめぐる物語です。
理系男子 渋川春海がさまざまな困難を乗り越えて最終的には 貞享暦への改暦に成功するまでの彼の遍歴が物語として描かれています。
小説として読むと途中すこし散漫なところもあると思いましたが,中盤から改暦がなると言う場面までは一気呵成に読めて大変堪能しました。
本を読まずともwikiのリンクをたどるだけで歴史的な経緯はすべて解ってしまいます。逆にこの本を読むとこのような歴史的な経緯もしっかりと記述されていてその意味では立派な理系小説になっています。

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NHKの番組で「空海と至宝」という三部の構成の企画がありました。録画したものを観ました。

室戸岬の御厨人窟(みくろど)で修行をして,最終的に悟りに到達した折りに,口に明星が飛び込んできたという記述が「三教指帰」 にあるのですが,その洞窟からその当時どのような星空が見えたかという簡単なシミュレーションが紹介されていました。
これまさに「天地明察」です。

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金曜日の島岡先生の講演会の様子はビデオ撮影しました。音がそのように保存されているか心配だったのですが十分内容が分かる程度には撮影,録音されていたようです。適当な処理をして近々公開を計画していますが,もうすこし時間をいただきます。

先生のいくつかの提言のうち印象深かったものの一つに,年齢や業績に関わりのない”論壇”が科学や医学の分野で形成されるべきではないかということがありました。
島岡さんはリアルな科学的な業績でも大変立派なものをお持ちですのでこういったセミナーでの講演も大変な説得力で聴衆に迫ることができますが,まだ駆け出しの大学院生や研修医の意見が議論の俎上に上がる場というものはありません。

例えばぼくが同じ事を研究室で語ったとしてもぼくの言説などには大きな注意は払われないのです。

また,特に臨床医学では,一種の「経験」がものを言う世界ですのでなおさらです。そういった論壇が樹立されてかつ麻酔記録が電子的にアーカイブされれば今の形の学会などの必要性などなくなりますよ (参照)。これに関しては,講演後,医学研究科に医学部卒後臨床研修無しに進学した大学院生とすこし個人的にも話しました。
また少なくともうちの大学の医学研究科の教授はこのキャリアアップセミナーでご自分の研究生活について独自の視点から順番で講演したらよいのでは無いかと思いました。参加者の人数で人気投票的になったりするかもしれません。臨床科では妙な動員がかかったりするかもしれませんがそれはそれで面白いです。皆さん忙しいので無理でしょうか,ははは。

講演会をご自身で振り返ったtweetsがあります。
参照1, 参照2
渋川春海はscientific drive に空海はmission-driveが原動力だった人達ですね。

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家内観るというので「神様のカルテ」を 観ました。これは何とも酷い映画ですね。
大学病院に行くと時間的な余裕ができるなどという妙な言説を世の中に拡げないでください。大学に異動して以来どんどん研究時間や自分の時間が少なくなっています。

天地明察

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映画「奇跡」の奇跡

On 2011/7/3 日曜日, in news, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

映画「奇跡」を大阪駅の映画館でみました。
主演は、漫才師のまえだまえだ
監督は是枝裕和。映画なのですが、ビデオでとったホームビデオではないかと錯覚してしまいようなシーンも出てきます。これは演出なのだと思います。まえだ兄弟は演技というかそのまま地でやっているんじゃないかというのりですが鹿児島、福岡の小学校の児童の脇役の子供達がうまく演じて映画になっていましたね。

予定調和的に映画は終わるのですがだからと言って感動が少ないわけではありません。ぼくは映画を映画館で観て泣くということは滅多にありませんが、この映画には泣かされました。

以下は単なる感想です。
鹿児島って火山灰が毎日あんなに積もるのでしょうか?
鹿児島市立坂元台小学校の図書館に長澤まさみさんがいて保健室に中村ゆりさんがいるのは一種の奇跡だと思う。
前田兄の意味深な”つぶやき”の意味をまだ考えています。「君と世界の戦いでは、世界に支援せよ」と言う意味だったんだろうか? 」「海辺のカフカ」で主人公カフカにカラスがこういう場面がありました。「目覚めたとき、君は新しい世界の一部になっている」

だだの時計台

土曜日の午後、同門の症例検討会がありました。
集まった先生方のうち一割くらいの数の先生の名前が分かりませんでした。確実に世代はかわっています。

風雲時計台

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