“WTC 9/11″のWorld Premiere

On 2011/9/13 火曜日, in Lifehacking, news, paper of the week, by bodyhacker

ここ10日くらいblogのエントリーの更新ができませんでした。

体力の限界というわけではなくただ単にぼくに余裕がなかったのです(参照)。
職場に二組の先生方の見学があったりその他いろいろあって思うこともたくさんあったのですが,エントリーを書く精神的な余裕が全然ありませんでした。

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その間に”9/11”も過ぎてしまいました。

New York Timesのこの特集が詳しくて興味を引かれました。

10年前の9/11はぼくら家族は米国メリーランド州ボルチモア市に滞在していました。

あの日はすごく天気がよかったのを覚えています。いつも通り朝6時頃研究室に出てWesternのゲルを固めて蛋白質の泳動を始めた頃World Trade Centerに飛行機が突っ込んだというニュースを研究室のポスドクのDom君から聞きました。
事故だと思っていたのですが,二機目も突っ込んだということでこれは事故ではなくテロだと言うことになりました。10年前にはTwitterもなくぼくらの研究室のネット事情はお寒いもので何が何だかよく解りませんでした。3機目がペンタゴンに墜ちたというニュースのあと,4機目がドーム(Johns Hopkins Univ. Hospitalのシンボル的な建物でぼくのベンチの真下に見えていた)に墜ちるのではとか皆と話していたところ4機目はペンシルベニアの平原に墜ちたというニュースが伝わってきました。

帰宅しろとかそういった指示があったわけでないのですが結局皆午後の早いうちに帰宅して研究室はガラガラになりました。ぼくは実験の残りがあったので片をつけてそれでも午後3時には研究室をでました。I83がガラガラだったのを覚えています。
その意味では時差の関係で夜の時間にすべてをTVで観ていた日本の人たちの方がリアルタイムでいろんな情報を得ていたのかもしれません。

10年目と言うことで日本でもNHKを中心にいくつもの番組が放送されそのうちのいくつかを観ました。

NHKで先週の土曜日Steve Reich氏の新作”WTC 9/11″のworld premiereの様子丸ごと放送されたのを観ました。
NHKはすばらしいですね。こんなの民放では絶対に放送してくれませんよ。
しかも本人とKronos Quartetのメンバーのインタビュー付きです。インタビューでも何でもまずあの日のあの時間自分はどこにいて何をしていたのかを皆が語ってからいろんな発言をし始めるのが印象的でした。

再放送はあるのかないのかは知りません。

”WTC 9/11″はここから試聴できます。

Wtc 9/11/Mallet Quartet/Dance Patterns

JCIに京大の柳田さんの部屋からの論文

Dysfunction of fibroblasts of extrarenal origin underlies renal fibrosis and renal anemia in mice

J Clin Invest. doi:10.1172/JCI57301

が出ていました。すごいですね。
いろいろと openなquestionsも惹起する大変大きな仕事だと思います。実際にいろいろ聞いてみたいこともあります。
さすが「白眉」です。

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ここ二週間くらいはある総説にかかっていたのです。〆切のある原稿を英語で書くのはしんどいです。でもようやくほぼ完成です。referenceを割り振って,figure legendsを書けばお終い。これでも〆切には間に合っていません。情けないです。

こういった方法を使うのも手なのでしょうか。でもなんか釈然とはしませんね。

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最後にこれにはびっくりです。私大に移ると幸せになりそうな予感。

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そこには土曜日は1時くらいまで研究室で過ごして梅田に出て丸善-ジュンク堂で本を受け取り-この本屋無い本は無いような印象があります-立ち読みして腹が減ったのでラーメンを食べ終わって時計を見たら4時を回っていました。

雑誌「文藝」で綿矢りささんの特集をしていてそれを読んでいたのです。デビュー10周年と言うことでした。

今年も新潮文庫の100冊やっていますね。

今年のラインアップではさっき数えたら8割5分は既読でした。それでも例のパンダのキーホルダーが欲しくて二冊買って見ました。

さよなら渓谷 (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)です。

二冊とも予想以上に面白かったです。

特に「さよなら渓谷」は素晴らしい小説ですね。解説も触れられていましたが、映画ミスティック・リバー – Wikipedia
を彷彿させます。少しくどかった「悪人」よりこちらのほうが名作だとぼくは思います。

新潮文庫の100冊はかつてCD-ROM版で出ていたことがあります。米国滞在中に暇だったので読破しました。「孤高の人」もそこに収録されていたはずです。

そこには「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が入っていったのですが2011年のラインナップでは「海辺のカフカ」に替わっています。「こころ」だって5回以上は読み返したと思います。

今年の100冊を全て買っても6万円くらいだそうです。全部読んだら気づかずにいた名作に出会ってその後の人生とは言わないけど少なくとも読書人生は変わると思います。たとえあなたが30歳を超えていたとしても。

新刊書を漁るのだけでなく「名作」をsimplyに片っ端から読んで見たらどうでしょうか。

Click here to add a title

どの論文を読むべきか質問されます。

PubMedで適当に調べてその分野、分子、現象についての論文をまず積んだ高さで50cm分読んだらどうでしょうか。あえてスクリーニングをしない。それで基礎知識は得られます。

特に特定の誰かの総説を手っ取り早く読んでわかってしまうのは長い目で見たら本当は有害だと思います。総説と言うのはあれは書いている人が自分の頭の整理をするためにあるんですよ。

臨床修練でも教科書、論文をまず自分の背の高さくらいの分量を読んで見たらどうでしょうか。話はそれからですよ。
妙なハンドブックを一冊買っただけで済むはずが無いのです。
麻酔でもまず手術中患者のそばを離れず種々の進行に眼を配りながらメリハリをつけて緊張感を持続できてなんぼの世界です。何もできない癖にふらふらしていたのではどうしようも無いぜ。
学会などで誰かの講演を聞いてわかったようになるのも長い目で見ると有害だとぼくは思っています。

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昨年出版され米国でロングセラーとなっているThe Immortal Life of Henrietta Lacksの日本語訳が出版されるようです。以前紹介しました (参照1参照2
Amazon.comのkindle eBookもいまだにかなり売れているようです-$9.83です-。確かに読み応えのあるnon-fiction作品です。実験でHeLa細胞を使っているような人であればかなり面白いと感じると思います。邦訳がどの程度のできなのかは読んでいないので解りませんが最近は悪い翻訳本は随分と減ってきました。
あるとすれば大きな教科書を何人もの医者が訳しているというような場合に限られてきているのではないでしょうか(具体的に名指しをするのは差し控えますが,ぼくらの領域にも何冊かあります)。

不死細胞ヒーラ  ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生

http://farm3.static.flickr.com/2366/5803784300_b43bfdfdf9_m.jpg

生物学の研究において独創性とはどのように定義されるかというのはすごく昔から議論されてきた問題です。
生命科学まで間口を拡げればiPS cellの研究などは発明だし,創薬などについては独創という概念は比較的に適応しやすいと思いますが基礎的な生物学は生物が生物たる構造や機能の解明が目的である以上,また生物はそこにあり生きている以上,その仕組みを人間が”創造”するということはあり得ないとぼくは考えています。蛋白質や遺伝子のクローニングなどもその最たる例でしょう。対象となった蛋白質,遺伝子は研究者が見つける以前に存在しています。研究者はそれを「発見」しただけです。
発見法に新奇性はあったとしても蛋白質,遺伝子自体を「創造」したわけではありません。
そういう状況の中でまったくのconventionalな手法である性質を持つ蛋白質を同定して解析するという手法は健在です。
MCM Proteins Are Negative Regulators of Hypoxia-Inducible Factor 1

Molecular Cell, Volume 42, Issue 5, 700-712, 10 June 2011

GLS研ではこの手法で過去にいくつもの論文を報告しています。質量分析計を利用するようになりプロセスが高速化しているだけです。
そもそもHIF-1自体も考えられるもっとも正攻法を用いて単離された転写因子です。彼の方法論の根底にこれらを可能にする何かあるのだと思います。二年半彼といてかなり解ったと思ったのですがまだまだです。
同じ号のMolecular Cellに
A HIF-1 Target, ATIA, Protects Cells from Apoptosis by Modulating the Mitochondrial Thioredoxin, TRX2

Molecular Cell, Volume 42, Issue 5, 597-609, 10 June 2011

も掲載されていました。これはなかり興味深い論文です。
TRXとHIFっていろんな経路で深いつながりを持っています。その一端ですですね。
そうそう「細胞を創る」というような研究も最近あります。

平野啓一郎さんの小説「決壊」が文庫本になったようです。
以前に紹介したことがあります(参照)。

決壊〈上〉 (新潮文庫)

決壊〈下〉 (新潮文庫)

上・下合わせて1360円。タダみたいな値段ですね。

月曜日に投稿していた院生のKさんの論文の審査結果が帰ってきました。
初回は6人のreviewerにいろんな事を言われたのですが今回は3人まで減ってコメントもほとんど些末な事項になっていました。でも,一つだけ言っていることがよく理解できないコメントがありここ二日づっと悩んでいました。共著者のH田さんにアドバイスを求めたところナイスな指摘をしていただき疑問氷解です。よく考えたら初めの時のコメントもこのことを主に問題にしていたんですよ,reviewer1は。
というわけで追加実験無しでrevisionを終える決心がつきましたしこれで落とされることもないと確信しました。
久々ですねこんなにスカッーとしたのは。

ホントこうなると他人の論文を暢気に査読している場合ではありません。とっと問題点を挙げて残り一つをかたづけてしまおう。査読は一種の義務とはいえいくらやっても誰もほめてくれませんしね。自分たちの論文にはいろんな意味で人生がかかっているんだよ。

村上春樹の”What I Talk About When I Talk About Running”から

Pain is inevitable. Suffering is optional. Say you’re running and you start to think, Man this hurts, I can’t take it anymore. The hurt part is an unavoidable reality, but whether or not you can stand any more is up to the runner himself. This pretty much sums up the most important aspect of marathon running.

ほんと良いこと言いますよね。文学者の責任とかいって妙な政治的な発言などしなくて良いのに。
ぼく,中学生の時は陸上部でタダひたすら走らされていました。しんどいときに唱える言葉というか歌というか思い出すある情景がありました。研究でも臨床でも”しんどい”時に唱える「マントラ」って誰にでもあるのです。

The Immortal Life of Henrietta Lacks

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