昨日の当直は応えました。
朝からだらだら緊急手術が5つくらい入り3時過ぎに終わって横になると一時間ほどでPHSで起こされそのまま8時45分まで帝王切開でした
こんな感じの帝王切開は,看護師,産科医,同僚麻酔科医との連携する力,技術力を含めた麻酔力が試される場の一つですね。いまだにすごく緊張します。
明け方でここで当直をしている先生方を起こすと翌日の麻酔に差し支えると思ったのですが,この未明の時間にぼくが粗相でもしたらと重いS原先生にも手伝っていただきました。今朝はぼくが挿管しました。
救急隊が手術室まで患者さんを運んでの帝王切開はそうそう経験しません。切り抜けて患者さんを送り出して,午前中はふぬけみたいになっていました。
Oxygen Sensing, Homeostasis, and Disease
Gregg L. Semenza博士による総説です。cDNA cloningから16年でNEJMの総説です。結構感慨深いです。
疾患・病態を分類して酸素代謝から説明して記述していくプロジェクトを計画しています。一年くらいで何とか完成させたいと思います。
さて島岡先生のセミナーが近づいています。ふるってご参加ください !!
今週の金曜日です。
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京都大学医学研究科大学院共通教育コース
『キャリアアップセミナー』
日時:平成23年8月26日 金曜日 17:00-18:00
場所:医学部基礎講堂1
講師:島岡 要
三重大学大学院医学系研究科・分子病態学講座 教授
講演タイトル:「医師・研究者のキャリアについて語ろう」
島岡先生は大阪大学病院,大阪府立成人病センターで10年余り麻酔科医として勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘されました。 2011年に帰国。 臨床麻酔のできる”基礎医学研究者”を自称されています。 専門は免疫学・細胞接着。 また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)があります。雑誌「実験医学」の連載をまとめた「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」などは若手研究者の間でのmust-readの文献となっております。先生の講演はキャリアプランニング,研究へのモチベーションなどの観点から大学院生を中心とした若手研究者に多くの示唆を与えてくれるはずです。
皆様 奮ってご参加下さい。
世話人:侵襲反応制御医学講座・麻酔科学分野 広田喜一
皮膚生命科学教室 椛島健治
主催:大学院教育コース
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不可能性の時代読み返しました。
進化論の仮説の一つに「赤の女王仮説 Red Queen’s Hypothesis」と言われるものがあります
一言でまとめれば
In reference to an evolutionary system, continuing adaptation is
needed in order for a species to maintain its relative fitness amongst
the systems being co-evolved with
ということになる思います。
赤の女王がアリス言った『同じ所にとどまろうと思うなら、全速力で走りつづけなさい』(It takes all the running you
can do, to keep in the same place) という言葉に由来すします。
ある種が淘汰圧に負けずに生き残る為には絶え間のない適応的な変化が必要だ、という仮説である。
これは進化論上の仮説なのであるが、進化論自体が一種の思想的な性質を帯びているので人間活動にも比喩的に適応できる。
たとえば医局運営にも。
そしたらどうするか。進化論の教えるところによれば交配を進めるということで、つまり、とにかく人的な流動性を高めるということでしょう。
現在がどうであれ定期的にかつ強制的に人を入れ替える。
これやるしか無いよ。
投稿三つ済ませて今週末は仕事をさぼっています。
来週から再開です。某総説の原稿もさぼっていたら催促が来ました。内容は全部決まっているので10日でなんとか完成できると思っています。
ここ半年くらい朝まで麻酔をすることがたびたび-月に最低二回-あります。
研修医君とするときもあるし自分一人でするときもあるのですが、ペース配分が不可能、つまり輸血をし続けるしかない手術はおいておくとしてペース配分が可能な手術でどうやってペース配分をするのかとかどんなマントラを唱え続けて最後まで麻酔をかけ続けるのかということは麻酔の教科書には書いてありません。
と言うようなことを、先週考えながら30時間手術の終わり2/3を担当しました。手術室にはなぜか宇多田ヒカルの「First Love」が何度もリピートされていて廊下にはモーツァルトのオペラのアリアが流れ続けているという不思議な手術室でした。
講演会のUSTREAMでライブ中継を行おうと思っていろいろと調べています。講演会の中継は音声をクリアにするためにはiPhoneでチョイという訳には行かないようです。
機材集めが間に合いそうもないので今回はLIVE中継はあきらめて編集後の映像と音声をYouTubeでながすということで許してももらおうかな。
Posted from my iPad
今週中に終わらせようとしている原稿の作業を並行して4つくらいしていたのだが最後の最後の段階では平行作業はできないので一つ一つ仕上げている。今日一つお終いなのだが,漫画を一つか二つつけないといけないので困っています。絵心が極端に欠如しているのですよ,ぼくは。
小川洋子ってすでにすごい高みに到達していると思う。
「猫を抱いて象と泳ぐ」が文庫本になったので読んでみました。
主人公「リトルアリョーヒン」は「ブリキの太鼓」のオスカルを彷彿させる異形ー実際にーのキャラクターです。
これまた異形ー太っているーの師匠「マスター」にチェスの才能を見いだされかなり棋力はあがるも独特の対戦スタイルが受け入れられず,結局は「パシフィック・海底チェス倶楽部」というかなり怪しい名前のクラブで振りの客とチェスをする操り人形を操るプロの棋士になる。
「盤上で紡がれる棋譜は一種の詩であり,これはプレーヤーによる「創造」ではなく「発見」なのだ」との悟りに達している。また「最強の手が最善とは限らない」。
前半の山場の「リトルアリョーヒン」と称される主人公の少年が師匠である「マスター」に初めて勝つチェス戦の描写ー4章ーが読み応えがある。理論的には有限であるが実質的には無限の「次の一手」が一種の必然性を持ってプレイヤーに発見されて盤上に表現される一瞬一瞬が克明に綴られる。
たった一つの棋譜を除いて一生涯を書けて綴った棋譜は残らなかった。
麻酔記録も麻酔科医にとっては「棋譜」である。電子麻酔記録の時代になっても麻酔記録を検討すれば麻酔科医の考えていることまた考えていなかったことが分かる場合がある。
自分でも年間500件くらいは麻酔を手がけるのでそのくらいの「棋譜」を作っていることになる。また他人の麻酔記録をさらに年に1000件は見ている。電子麻酔記録であっても個性は出ると思う。
研修医の頃,自分が手がけた麻酔の麻酔記録をファイルしていた。何か捜し物をしていてついでに見返えすことが何度かあったのだが不思議とその麻酔を覚えていてビックリした。自分で「指した一手」をそのときの情景と共に覚えていたのである。
次の一手が一種の必然性を持って発見できるようになれば麻酔科医も一人前なのかもしれない。
そのための訓練には大きな舞台は必ずしも必要でないのだと思う。誰もが心臓移植や肺移植の麻酔をする必要はない。またそれ無しでも,さらに言えばそれ無し故に得ることのできる何かは確実に存在すると思う。
また麻酔も「最強の手が最善とは限らない」。
知識はしかし必要だ。医学は経験科学であり必要な知識がないと太刀打ちできない。
でも,知識は本を読めば身につくし面倒なら人がまとめたもの読んだり聴いたりすればそれでよい。
専門医試験などその程度の事である。
また以下は某mailing listへのぼくの投稿です。
こういった世界が現出すると麻酔は確実に変わると思います。
科学的であるということと美しいということは両立します。
医療行為、特に麻酔はよく航空機の操縦にたとえられます。また医療安全への取り組みに航空機の安全運行への取り組みを援用するという試みも行われます。
その比較が適切かどうかを yesの立場とnoの立場から論じた論文というよりはエッセイが BJMに出ています。Have we gone too far in translating ideas from aviation to patient safety? Yes
Have we gone too far in translating ideas from aviation to patient safety? No
どなたでも全文を読むことができます。
Yesの方を書いているのは麻酔科の医者です。Googleは世界中の本をスキャンするというプロジェクトを遂行しています。
今までで電子化された書籍は1500万以上でこれまでに人類が発行した書籍のおよそ12%に相当するのだそうです。
それを用いた研究成果が雑誌Scienceに発表されています。ハーバード大学の人たちとgoogleの共同研究です。Quantitative Analysis of Culture Using Millions of Digitized Books
購読権が必要ですので少し旧いバージョンの原稿をあげておきました。
ハーバード大学の数学者による研究チームは、Google Booksのスキャンデータのうちの3分の1(51957695冊)分のデータを使い、1800年から2000年の間に出版された書籍に出現する5000億単語を解析し、各単語の出現頻度をデータベース化したのです。
そのデータベースを利用した解析結果の報告です。
このような研究手法を彼らは”culturomics”と呼んでいて、今回は戦争や奴隷制度などの文化的変化と言語的変化との関連、つまり文化的変化を記述するのに使用された言葉の変化を調査した結果が報告されています。文法の発達や集合的記憶、技術の普及、知名度の追跡、検閲の影響、流行病の歴史など、多様な分野に情報を提供できるはずで、知名度の追跡だけを科学者について取り出したものが”The Science Hall of Fame”という呼び名をつけられ公開されています
(http://fame.gonzolabs.org/)。
こっちも興味深いです。というか俗的にはこちらの方が面白いです。一方、医療とくに麻酔科学の分野に限っても例えば世界中のすべての麻酔チャート(ASA-PS、気道確保法とか体位とかだけでなくまるごとの麻酔記録)がデータベース化できればこれはすばらしいものとなると思います。電子麻酔記録システムが導入されているのですから原理的にはすでにこのようなことは可能なのです。
ここまでやれば世界が変わると思います。
世界中で日々生成される麻酔記録がリアルタイムで参照可能になればこれはすばらしと思います。
プライバシーなんて知ったことか。








