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FIH-1はfactor inhibiting HIF-1
今日は研究の話から。
Kidney Internationalからーどうでもいいですけどこの雑誌名ってすごいですよねー
Factor inhibiting HIF limits the expression of hypoxia-inducible genes in podocytes and distal tubular cells
Kidney International advance online publication 18 August 2010; doi: 10.1038/ki.2010.284
FIH-1が腎臓で綺麗に染まっていてなかなか興味深い論文だと思います。主張もかなり斬新です。
最近毎週の様にFIH-1の論文が出ています。ぼくも手持ちのデータを出したいと思っています。
この論文のタイトルには誤りがあります。 FIH-1はfactor inhibiting HIF-1 の略です。Factor inhibiting HIFという名前の分子は今まで記載されたことはありません。またFIH-1はFIH1ではありません。そこらへんはきちんとして欲しいです。
日本学術会議の金澤会長がホメオパシーをほぼ全否定する談話を発表しました。
画期的なことだと思います。せっかくだからもう少し練ったものを発表されたら良かったと思います。
例えば
「幼児や動物にも効くのだからプラセボではない」という主張もありますが、効果を判定する のは人間であり、「効くはずだ」という先入観が判断を誤らせてプラセボ効果を生み出します。
という言い方はいただけません。現代医学にもプラセボ効果としか言いようのない現象はいくらでもあります。
また
ホメオパシーについて十分に理解した上で、自身のために使用することは個人の自由です
ともありますが、これって何なんでしょうか。信教の自由は犯されないということを言っているのでしょうか。
とにかくこんな物が総合医療だとか代替医療だとか称して保険適用になることだけは避けて欲しいと思います。
麻酔科学会のページに
専門医試験受験者の帝王切開経験数集計の公表についてという発表がありました。
5年間で0という人もいるのですね。というより生涯一回もしたことがないのかもしれません。まあこれはこれでいいのかな。
ぼくもこの5年間で例えば Fontan手術の麻酔は0回だし肺移植の麻酔もしたことがありません。これでも専門医というか指導医です。VSDや大動脈置換術0回という専門医もいると思います。総肺静脈還流異常とかに至っては0回の人の数が圧倒的に多くて、PDAでも0回の人の数の方が多いかもね。
Chuvash polycythemia再び
PNASからです。
Regulation of human metabolism by hypoxia-inducible factor
PNAS published ahead of print June 28, 2010, doi:10.1073/pnas.1002339107
というのがあって題名はすごい事になっています。
読んでみるとChuvash polycythemiaというかVHL遺伝子にC598Tをもつ細胞や個体の解析結果の報告です。
Chuvash polycythemiaというのは wikipediaのpolycythemiaによれば
Chuvash polycythemia refers to a familial form of erythrocytosis different from classical polycythemia vera. This involved patients from Chuvashia and is associated with a C598T mutation in the von Hippel-Lindau gene (VHL).[6] Chuvash polycythaemia is believed to be caused by direct production of erythropoietin by VHL-associated hemangioblastoma. A cluster of patients with Chuvash polycythemia have been found in other populations, such as on the Italian island of Ischia, located in the Bay of Naples.
と記載されています。
歴史的には medlineで検索可能な報告は 1974年にありますが、学問的にはPrchal博士らによる
Congenital polycythemia in Chuvashia
Blood. 1997 Mar 15;89(6):2148-54.
が嚆矢であり、
Disruption of oxygen homeostasis underlies congenital Chuvash polycythemia.
Nat Genet. 2002 Dec;32(4):614-21
で一気にブレイクしました。
ぼくのブログでも過去何回か取り上げました。(参照1、参照2)
また理解には
Structure of an HIF-1a-pVHL Complex: Hydroxyproline Recognition in Signaling
Science 7 June 2002 296: 1886-1889
を読み込むことが必要です。
今回の論文は以前に出版された
Mutation of von Hippel-Lindau tumour suppressor and human cardiopulmonary physiology.
PLoS Med. 2006 Jul;3(7):e290.
とどう違うのかすこしじっくり検討してみないとわかならいのですがとにかくこの風土病からみえてくるいろんなものがあることは確かなようです。
病態の分子機序を解明した者としてはうれしい限りです。
今日サッカーの試合があるようですがテレビがないので観戦できません。病院のホールには100インチの大画面があるのですがそれをきょうだけ開放してくれたらすごい迫力で観ることができるのに残念です。それくらいできたらうちの病院もホンモノだね。
Ominiplus Ultraってすごいの?
PNASから
PNAS published online before print March 15, 2010, doi:10.1073/pnas.0909570107
これは着眼点が秀逸だと思います。
聞いたこともない雑誌から二つ
Atmospheric oxygen level and the evolution of insect body size
Proc Biol Sci. 2010 Mar 10. [Epub ahead of print]
Cardiovasc J Afr. 2010 Jan-Feb;21(1):37-41.
後者は大学からでは全文を読むことができません。面白そうなのですがくだらん論文かもしれません。
NatureにOminiplus Ultraの話が出ていました。
The Omniplus Ultra
Nature 464, 316 (11 March 2010) | doi:10.1038/464316a; Published online 10 March 2010
スゴそうです。
こんな形をしているのだそうです。

最後まで読んでみるとOmniplus Ultraの片鱗に触れることができるかもね。
横光利一に”春は馬車に乗って”という小説があります。
なんか今の季節にピッタシの小説のような気が一瞬するのですが内容は結構酷い話なのですが、なんか酷くは思えないという不思議な短編です。
「火の魚」の女性編集者 折見は敬愛する3人の小説家としてトルーマン・カポーティ、アントン・チェーホフと横光利一を挙げるのですがこの小説を”本歌取り”しているのかもしれません。
読みたい人は青空文庫でどうぞ。
明日はポリクリをしている最中に某会議があって麻酔もしているハズなのですがたぶん大丈夫じゃないな。




