Br. J. Anaesthから
Br. J. Anaesth. (2011) doi: 10.1093/bja/aer005
動物実験と細胞の実験の報告。
動物の肺胞でほんとにLPSによるHIF-1aの蛋白質発現がpropofolで抑制されるのです。そうなるだろうと解っていてもホントに動物でもそうなると驚きますね。
多分この論文はぼくらの論文のパクリです。
FEBS Lett 2004;577:434-8.
JOURNAL OF ANESTHESIA Volume 24, Number 1, 54-60, DOI: 10.1007/s00540-009-0829-1
人にパクられるようになれば研究もたいしたものです。
私はバカだと本気でそう考えていれば,他人から「おまえはバカだ」といわれても,カチンと来ないものだろうか。そんなことはない。
ということが日常生活では起こります。
その理由がドストエフスキーを読むと解るかもね。
Suicide attempt by intravenous injection of gasoline: a case report.
J Emerg Med. 2010 Nov;39(5):618-22. Epub 2009 Feb 13.
揮発性吸入麻酔薬を飲んだらという症例報告も読んだことがありますが,ガソリンを静注とは気合いが違いますね。
PLoS Oneから
Activation of Hypoxia Inducible Factor 1 Is a General Phenomenon in Infections with Human Pathogens
PLoS ONE 5(7): e11576. doi:10.1371/journal.pone.0011576
Kempf氏のlab.から
部分部分を検討すれば今まで報告された実験事実の寄せ集めのような気もする論文ですが、タイトルがキャッチーですしオチは確かについています。
びっくりしたのはfigure7です。これは面白い再検討の価値があると思います。
”読書猿Classic: between / beyond readers”というブログのエントリーに
”あなたの知識は5年後には陳腐化する/理科離れと科学知識の更新コスト”という考察がありました。
科学技術者の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練の技術者が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、慣れぬ営業などに異動配属されることは、見慣れた光景となった。
自分の親がそうした憂き目にあったところを見た子供たちは、さて科学技術を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の科学技術」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の科学技術を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
とあるのですが、自分のことをいわれているようで背筋が寒くなりました。
例えば
麻酔科医の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練の麻酔科医が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、 CVC centerなどに異動配属されることは、見慣れた光景となった。
自分の先輩がそうした憂き目にあったところを見た研修医たちは、さて麻酔技術を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の麻酔技術」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の麻酔を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
レミフェンタニルをどかんと使いノルアドレナリンで血圧を維持しいざとなればロクロニウムを投下して最後にスガマデックスを使えばそれでいいのではないのか
こんな変奏とか
MD研究者の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練のMD研究者が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、お前のような無能なやつは研究者とは言えないと研究費を減額され病院での労働を強要されることは、見慣れた光景となった。
自分の指導者がそうした憂き目にあったところを見た院生は、さて医学研究を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の医学研究」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の医学研究を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
とか…
暗いですね。
もうこんな景色には未練はない、と言い切ってしまいたいのですが…
今週内でいれたカテーテル明日で7本だぜ、まったく。
今日7時少し前研究室でMac見つめていたら扉が開いてタロウちゃんだと思った瞬間、北向きの窓が真っ赤に染まっているのに気づきました。信じられないような赤でデジカメでその一瞬をなんとか捉えようとしたのですが技術の未熟さか出来上がった写真では赤が十分ではありませんでした。こういう瞬間に人間は神の存在を感得するのでしょうね。 タロウちゃんが”神”だと言っているのではありません、念のため。
大学院生の田中先生の論文が”American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology”誌に通りました。
reviewerのコメントも三行ずつしかなかったので通ることはわかっていたのですがなんで三週間も待たされたのかよくわかっていません。年を越えたら申し訳ないと思ったのでしょう。この時期に返事があるのは結構頻度が高いような気がします。
低酸素誘導性遺伝子応答に温度が及ぼす影響をin vitro, in vivoで解析したものです。これは全く今までなかった観点です。良く引用される論文になりh-indexを上げてくれる論文になると思います。
よかったです。
Abstract
The transcription factor hypoxia-inducible factor 1 (HIF-1) plays an essential role in regulating gene expression in response to hypoxia/ischemia. Ischemia makes the tissue not only to be hypoxic but also to be hypothermic because of the hypoperfusion under certain circumstances. On the other hand, the induced hypothermia is one of the most common therapeutic modalities to extend tolerance to hypoxia. Although hypoxia elicits a variety of cellular and systemic responses at different organizational levels in the body, little is known about how hypoxia-induced responses are affected by low temperature. We examined the influence of mild hypothermic conditions (28-32 ˚C) on HIF-1 in both in vitro and in vivo settings. In vitro experiments adopting cultured cells elucidated that hypoxia-induced HIF-1 activation was resistant to 4h-exposure to the low temperature. In contrast, exposure to the low temperature as long as 24 h suppressed HIF-1 activation and the subsequent up-regulation of HIF-1 target genes such as VEGF or GLUT-1. HIF-1α protein stability in the cell was not affected by hypothermic treatment. Furthermore, intracelluar ATP content was reduced under 1% O2 conditions but was not largely affected by hypothermic treatment. The evidence indicate that reduction of oxygen consumption is not largely involved in suppression of HIF-1. In addition, we demonstrated that HIF-1 DNA binding activity and HIF-1-depenedent gene expressions induced under 10% O2 atmosphere in mice brain were not influenced by treatment under 3 h-hypothermic temperature but inhibited under 5 h-treatment. On the other hand, we indicated that warming ischemic legs of mice for 24 h preserved HIF-1 activity. Here we describe first time that persisting low temperature significantly reduced HIFα neosynthesis under hypoxic conditions, leading to decrease in gene expression for adaptation to hypoxia in both in vitro and in vivo settings.
Keywords;
hypoxia, hypothermia, hypoxia-inducible factor 1, ischemia