今日は緊急手術がぼくの時間にはありませんでした。珍しいです。
でも明日の早朝から某移植が二件入っています。これから寒くなり多くなっていくのではないでしょうか。なんというかどうなんでしょうか。
土曜日の夜,家内と映画「マネーボール」を観ました。
以前本(「マネー・ボール」)を読んだことがあり今回映画になったと言うことでこれは観ようと決めていました。
掛け値無しに面白いです。
主人公は誰がやったとしても映画の感動は変わらないと思いますがブラッド・ピットは好演です。
よく考えたらプロットなどは「もしドラ」と同じと言えなくもありません。しかし全く異質の映画です。もし何かの弾みでー飛行機の中で上映していたとかー「もしドラ」を観たとしても,もう一回観ようという人はないでしょうが「マネーボール」は違います。必ずもう一回は観てdetailを確認したいと思うと思います。
内容はこれから観る皆さんのためにあえて書きません。
打率や打点といった伝統的な選手評価の基準を信用せず、地味でも貢献度の高い戦力を探し出し、起用する
研究室の運営にも同じようなことはいえると思います。
あのGLS研もスタープレイヤーなど一人もいませんでした。HIF-1のクローニングにしてももっとも地道なベタな方法を確実に適応した結果です。近くに勤勉なポスドクが来てくれて,カラムの使い方に習熟した研究室があったのが幸運であったと語っていたのを覚えています。
ポスドクも大学院の自体にCNSに論文を出したなどという人は皆無でした。ウソをつかず地道に実験を確実にしてくれるポスドクを彼は求めていたのです。
FIH-1のクローニングもしかり。
研究室に来るまでには一流とは見なされていなかった研究者と共にあのperformanceが出せたー出せるーのですからすごいです。
生命科学研究というのはアイデア次第でホームランとは言えないまでも三塁打位なら打つことは可能ですーと信じていますー。また研究人生の中でその三塁打さえない研究者の方が実際には多いのです。
そう考えるとぼくの研究室も素材はすごい大学院生ばかりでその人たちの活躍の場を提供できないとすればぼくの問題だと思います。
医局運営でも事情は同じと思いますがこちらは書きすぎると差し支えもあるかもしれないので止めておきます。ぼくも各病院を巡って一緒にやってくれる先生方を口説いて廻りたいです。後5人若い生きの良い先生が確保できたらうちの病院の麻酔科はとんでもなくすばらしい所になりますぜ。
ブラッド・ピットの年齢など今まで気にしたことがなかったのですが彼はぼくより年上なのですね。老眼鏡を使うシーンが何度も出て来ますが印象的でした。また彼は今までアカデミー主演男優賞を獲得したことがないのですね。「マネーボール」で狙えるかもしれません。
とにかくこれは,映画館で観た方がよいと思います。打球の音などがハイパーリアルで楽しめます。
ところで土曜日にiPhone4Sゲットです。
ヨドバシカメラで「当日持ち帰り可」だったau64G白にしました。
そもそも家族はauなので何の問題もありません。
速いです,きれいです。
まだの人はお早めにどうぞ。
御大怒っています。でもぼくらがどれほど努力というか自分の命を削ってやっているかを知ればこんな事は言えないと思います。ハッキリいいます。御大は何も解っていません。
秋晴れですね。気持ちのよい秋分の日です。
麻酔後の診察でえらく話し込んでしまいました。いろんな人がいろんな事を考えるのですね。
いろいろと滞っていた事に殆どケリをつけることができたました。査読も全部捌けたし,某原稿も今朝送りました。やっていないのはこれのビデオ編集だけです。
論文の作業も本格的に再開します。
科研費の作業も始めます。
PLoS ONEに
Analysis of Hypoxia and Hypoxia-Like States through Metabolite Profiling
PLoS ONE 6(9): e24741. doi:10.1371/journal.pone.0024741
が載っていてこれはやられたなと言う気がしました。この観点はとても重要だと思います。
月曜日に「最後の忠臣蔵」という映画をケーブルテレビで見かけて結局最後まで観てしまいました。
ストーリーはたわいもないもので最初から結末が解っているようなその意味では底の浅いとも言える映画でした。たぶんテレビの二時間ドラマくらいでちょうど収まるようなそんな感じの映画です。
赤穂浪士による討ち入り直前に”逐電”した瀬尾孫左衛門が実は大石内蔵助の命を受けて”隠し子”「可音」を乳飲み子の時代から立派に育て上げ京都の豪商に嫁がせてその後…
という映画です。
伏線の張り方がおかしくてちぐはぐなシーンが唐突なに出てきます。
二人の関係もなんか微妙な描き方で,「うさぎドロップス」の最期みたいな結末かもとかそんなわけはないとか思わせながらありきたりの最期を迎えるわけです。可音の入浴シーンは何だったのでしょうか。「水戸黄門」じゃないんだから。
しきりに「使命」という言葉が出ててきます。「使命」だから可音を育てたのだというわけです。
この映画,デタッチメントからコミットメントの方向性でなくコミットメントからデタッチメントの方向性で進んでいるな〜と言うような感想を持ちました。
「リトル・ピープルの時代」にはまっていていろんなことをこの本の視点から眺めてしまいます。
そんなことを考えならが観ていたら終わっていました。
偶然前の日に「うなぎ」も観たのですが,役所広司ってすごいね。二枚目過ぎるところが欠点と言えば欠点でしょうか,モテる役以外ができないというか。
iPhoneがauからも出るというニュースがあります。実はぼくソフトバンクで何も困っていないんですよね。
ぼくが重視するのはネットにつながるかどうかでいつもdocomoのモバイルWiFiルーターを持ち歩いているので”どこでも”つながります。
docomoがつながらないならこれはあきらめるしかありません。ぼくは,結局ソフトバンクでiPhone5にしちゃうような気がします。
来週,麻酔科の専門医試験があるようです。
ぼくは医者になって9年目にのこのこ受験しました。大学院を出て病院で助手になって研修中の先生の指導を初めてこれは指導医ー当時は専門医という呼び方はありませんでしたーの資格は取っておく必要があるということで受験することにしました。学会費の5年分くらい滞納していてー院生の時に破門されてグレていたのです。ー耳をそろえて払って会員資格を復活させてもらいました。
毎回研修中の先生のお昼交代の時に彼らの教科書を読んで勉強して過去問題を解いたら8割はあったので以後勉強するのを止めましたが試験には合格しました。自分では受験用には一冊も本を買いませんでした。自分で持っていたのは,「Miller」と「MGHの麻酔のてびき」のみ
落ちたら大学病院は辞めようと思っていましたが合格したので今に至ります。
筆記と面接を一緒に受験したのですが初日の筆記試験のあと合格でないと次の日の面接に進めません。N波さんと一緒に発表を見に行き合格を確かめてからその日のホテルを探すというありさまでした。牧歌的な時代だったのです。
一昔はその程度の試験だったのですが今は皆さん猛勉強しているようですね。試験というと勉強しないと気が済まない人もいるかもしれませんが何かの役には立つかもしれませんので,がんばってください。
院試,学会,JBPOTというスケジュールの先生もいるそうです。こちらもがんばってください。院試に落ちると大学院生にはなれません。
PNAS published ahead of print November 15, 2010, doi:10.1073/pnas.1007225107
これはおもしろいです。昔のぼくが書いていたとしても不思議でないテーマです。
最新号のブルータスの特集は「映画監督論」です。
映画監督の年収ってどれくらいなのでしょうか。
例によってピンからキリなのですが、
2009年の高い方は
1 マイケル・ベイ 1億2000万ドル
2 スティーブン・スピルバーグ 8500万ドル
3 ローランド・エメリッヒ 7000万ドル
4 ジェームズ・キャメロン 5000万ドル
となっているそうです。
すごいですね。映画監督って一発当たるとすごいことになるんですね。俳優より儲かるのかもしれません。
映画監督はいくら太っていてもまた不細工でも全然平気ですからそこら辺を考えればあたればなかなかいい商売なのかもしれません。
ウッディアレンもこの特集のインタビューで映画監督は快適な職業だと語っています。
何も不満はない。まじめな仕事で、十分な収入がある。エレベーターを動かしたりタクシー運転手をするよりずっといい仕事で、きれいな女優や面白くて才能ある男優達、と働くことができる。
ウッディアレンと比べてもしようがないわけですが日本の映画監督はなかなかそううまく儲からないようです。
是枝裕和さんは「職業としての映画監督は割に合わないかも」と言っています。
研究者も大概快適な職業だと思います。
世の中では論文が無いと研究費が無くて大変とか言われることもありますがそんなことはありません。
NatureだScienceだCellだ Genes & Devだとかいっているのは実はほんの一握りの人たちです。そんな雑誌に論文がなくとももっと言えば何も論文などなくともたいていは何の問題もありません。
以前在職したぼく研究所での給料は現在の当直代、超勤代が入った給与よりも多かったし、文部科学省の科研費など当たらなくともーそもそもそんなものに応募しない人も大勢いましたー研究費は降りてきていました。研究費の心配をしている人など廻りで見たことも聞いたこともありませんでした。
論文が出ないなどの理由で解雇された人はぼくの在職中見たことはありません。
職にありつくのは最近では結構大変なようですがありついてしまえばこんな暢気な商売はないかもしれません。
それでは医者はというとこれはピンからキリですね。大もうけをしてる開業医さんはいるかもしれませんがその他は働いている時間相応といったところでしょうか。
自治体病院とか独法系の職場ー大学病院も含みますーは働いても働かなくても給与にそう大きな差はありません。週に一回しか手術室に出ない人も週に4日出る人も基本的には給与に差は無いわけです。うまく立ち回り”働かない組み”に入れば大学の教員もかなりいい商売です。
文学部の先生とぼくらはまったく同じ俸給表なのですから驚きます。
最後にお口直しにポジティブになれる報告を紹介します。
Scienceのこの論文は面白いです。
A Wandering Mind Is an Unhappy Mind
Science2010: Vol. 330. no. 6006, p. 932 DOI: 10.1126/science.1192439
iPhoneのアプリを使った研究結果の報告です。その名も trackyourhapinessです。 urlはwww. trackyourhappiness.org。
2200人の被検者から25万件のresponseを集めて解析した研究です。
どのような活動をしているときに人は一番幸せを感じるかという調査。
方法は以下の通り
To find out how often people’s minds wander, what topics they wander to, and how those wanderings affect their happiness, we analyzed samples from 2250 adults (58.8% male, 73.9% residing in the United States, mean age of 34 years) who were randomly assigned to answer a happiness question (“How are you feeling right now?”) answered on a continuous sliding scale from very bad (0) to very good (100), an activity question (“What are you doing right now?”) answered by endorsing one or more of 22 activities adapted from the day reconstruction method (10, 11), and a mind-wandering question (“Are you thinking about something other than what you’re currently doing?”) answered with one of four options: no; yes, something pleasant; yes, something neutral; or yes, something unpleasant. Our analyses revealed three facts.
一番はセックスをしているときで平均幸せ度は100満点のうち90くらいという高さです。次は exercisingで75くらい。テレビを見ているときは65、食べているときは68で子供の世話をしているときでも66くらいです。
すごいですねセックス。なんかこんなにダントツだとそんなものかなと言う気もしてきました。
この研究はなにもセックスの奨励ではないのでセックス中は人は行為に集中しているということが肝のようです。
何をしているときでもとにかく集中しているときはハッピー度が高くなるようです。
そういえば麻酔しているときも集中しているとあっという間に時間が過ぎて終わった後すごく爽快になりますよね。
若い先生方も外来でうだうだ患者を診ているより手術室で勝負するような診療科に進んだ方がハッピー度が上がると思います。