医学部の学生の授業でしゃべりました。90分しゃべり続けるので疲れます。学会やセミナーでは長くても60分ですから30分も多いわけです。
出席者は余り多くありませんでしたが一番前に座っていた学生は結構よく勉強していたと思います。「血液ガス分配係数」も知っていました。ぼくがMacBook Airの設定でもたついていたら助けてくれました。試験ではがんばってください。難問奇問で皆さんに挑戦します。
少し前にGroopmanの”Your Medical Mind: How to Decide What Is Right for You”の邦訳「医者は現場でどう考えるか
」について書きました。(参照)
医者の思考の流れを症例を巧みに使って記述して陥りやすい判断の誤りなどを指摘したいくつかの章で構成されたものです。
患者と言うより一般的な読者を想定したものですが医者が読んでも読み応えはあるし医学生,研修中の医師が読めば症例のおもしろさも加わってとても有意義な読書体験となると思います。
英語版を以前に読んだのですが-日本からはKindle版を購入することはできませんー邦訳も各所で絶讃されていて書店で見かけたので邦訳を買って読んで見ました。
邦訳はだいぶこなれていて読みやすいと思いましたーところどころ一読意味が通らないと思う箇所がありますが大局には何の影響もありませんー。
Groopman氏はこれ以外にも多数の著書があります。
例えば”Second Opinions“なども「医者は現場でどう考えるか
」とほとんど同じ内容をこちらも症例にそってエッセー風に進めていく著作です。こちらにも邦訳が存在します。(セカンド・オピニオン―患者よ、一人の医者で安心するな!)
その他”The Measure of Our Days: New Beginnings at Life’s End”なども合わせて読みたい本です。
本の紹介にもありますがGroopman氏は”an eloquent new voice in the literature of medicine”と言ってもよい人物だと思います。
池信先生が熱烈に推薦している「Thinking, Fast and Slow」を読み始めました。Kindle版を買いました。英語も平易で進んでいますが読了までには時間が掛かると思います。
数日前に調べ物をしていたら偶然「NHKスペシャル 沢木耕太郎 スポーツ・ドキュメント奪還~ジョージ・フォアマン 45歳の挑戦~」が番組ごとYoutubeに出ているのを発見しました。
ジョージ・フォアマンのタイトル戦までのドキュメント「奪還」
沢木耕太郎氏が文藝春秋で公表した同名のドキュメンタリーと同時進行で制作されたものです。
文藝春秋のドキュメントではタイトル戦の結果はまだ出ていないところで終わっていました。 (Number PLUS 2011 May―Sports Graphic 拳の記憶に収録されています。)幸運にもこのタイトル戦をテレビ(WOWWOW)で観戦できたことを覚えています。
「NHKスペシャル 沢木耕太郎 スポーツ・ドキュメント奪還~ジョージ・フォアマン 45歳の挑戦~」はNHKのスポーツドキュメントというよりすべてのドキュメントの頂点の一つを極めていると言ってもよいようなすばらしい番組です。
このドキュメントは過去に二回は観たのですがもう一回観たいものだと思っていたらYouTubeで視聴できて満足しました。何度観てもすばらしいです。
以前観たときはそのような感想は持ちませんでしたがフォアマンはすごく丁寧にキレイな英語で話します。彼が伝道師としてのキャリアの中で身につけたのだと思います。フォアマンは日本のテレビ局の取材なのに本当に真摯に語ります,改めて見直してびっくりしました。例えば「闘う目的があれば人はどんな苦しみにも耐えられるものだ」とか本当に真顔で語るわけです。
全編,沢木耕太郎のフォアマンへのインタビューと小林薫氏による沢木耕太郎のドキュメントの朗読で構成されています。その意味でこの番組も彼の「私ノンフィクション」の一つです。
例えばフォアマンがアリにknock outされたキンシャサでのタイトル戦は「壮大な精神の虚構が絶対の肉体を打ち負かしたまさに奇跡としか言いようの無い一瞬」などと表現されます。またフォアマンのこの45歳の挑戦は「粉々になった自我を拾い集める」ための挑戦だという風に語られます。
しかしこのドキュメントはこのような大げさな表現が妙にしっくりといく沢木流の番組に仕上げっているのです。
またこれまた沢木耕太郎が神がかっているとしか思えないのですがアリが番組主催中にテキサスに現れてインタビューに応じてくれたシーンまで入っているのです。
実はこのNHKの番組はフォアマンの「奪還」プロジェクトの唯一のドキュメントです。アメリカ人は全く興味を持っていなかったのです。ここら辺の興味の持ち方,何をテーマに選ぶかのセンスなどには学ぶべきものが多いと思います。
YouTubeでは「ジョージ フォアマン 奪還」で出ています。誰かが今年の9/21にupしてくれたようです。もしかしたら削除されるかもしれません。これを観ないとすれば確実に損をします。
フォアマンの自伝も出ています。これも読んだ方が良いです。(「敗れざる者―ジョージ・フォアマン自伝」)
テレビがないのでYoutubeで
結局一番おいしいところ持って行ってしまったようですね。
ちょっと必要があり自分の論文の引用回数をGoogle Scholarを使って調べてみました。
- >500: 2編
- 300-500: 3編
- 200-300: 2編
- 以下は数える価値はあまりないでしょう。
でした。一応>500は自分が1st authorでした。ついに二つとも500回超えてくれました。
イチローの言葉に見る人生のヒント5選
というエントリーがあります。
イチロー的に「”5年に一回500回くらい引用される論文を書けばそれ以外の論文がいまいちでも許して下さい”ということで…、と。いつもそうつぶやいているんです。」と云いたい気もしますが云ってみたところで状況が変わるわけで無し…
ちなみに以前お世話になった某教授は
- >1000: 1編
- 500-1000: 2編
- 300-500: 5編
- 200-300: 3編
と云う結果です。これほんとはもっと多いような気がします。なにわともあれやっぱり>1000は神の領域だと思います。
坂本龍一さんのコンサートツアーがITSで配信されはじめています。一日分買って(tokyo 032909)聴きながら仕事しています。今みたら京都でのものも出てます。こっちにしたらよかった。(参照)すごい時代になったものですね。
家内が最近坂本さんの本を読み始めています。解っているとはとうてい思えないのですがまあ勝手にしたらいいと思います。
昨日の日曜日同級生とすき焼き会を市内某所で開きました。
すき焼き喰って立ち上がったところ立ちくらみで目の前がちかちか。一分ほどで元に戻りました。
Obama大統領ー正確にはこの時点ではPresident-elect-の
”American Recovery and Reinvestment Plan”演説見ました。
ぼくでも結構英語は聞き取れました。YouTubeにはこのplanの解説のビデオも有ってこっちのほうはすごく解りやすいです。ほとんど聞き取れました。iPodに入れて電車内で見ています。
NEJMにも
Modern Health Care for All Americans
Volume 359:1537-1541
と題したObama氏の論文?も掲載されています。
Our medical training institutions are the finest in the world, but we need to ensure that doctors have ready access to the best information on medical advances throughout their careers. The best source of information on the value of a drug or a new technology is not the company that produces and markets it, but rather a careful and independent evaluation of patient outcomes. I will develop an independent national institute to work with the medical community to evaluate and disseminate information on the comparative effectiveness of drugs, devices, treatments, and procedures.
ここら辺の行はとてもすばらしいのですが具体的にどう実現していくのでしょうか。
成功すれば世界中にあっというまに広がっていくのだと思います。”電子カルテ”とかPublic Health 2.0とか
研修とくに初期の研修もいろんな形があっていいと思うのだが一年とか二年とかそういったことの議論が強調されるのは困ったものですね。一応ーというと失礼ですがー受験戦争を勝ち抜いてきた頭脳を持った金か銀かはしりませんが卵なのですから何とかならんものですかね。
しかし脳外科の手術の後には瞳孔くらいは観察してくださいよ。
子供の持っていた
iPodに入れました。
あまりに正統派すぎてまた歌がうますぎて聞いていて何だなーという気もちらっとしますが、これはいいな。
こんど合唱コンクールの課題曲をつくるそうです。
最近ダーウィンづいているので
も読んでみました。
医者が読む本ではないですね。患者が読んでも役には立ちそうも無いのですが役立たないものが無用というわけでもないし。