PLoS Oneから
Activation of Hypoxia Inducible Factor 1 Is a General Phenomenon in Infections with Human Pathogens
PLoS ONE 5(7): e11576. doi:10.1371/journal.pone.0011576
Kempf氏のlab.から
部分部分を検討すれば今まで報告された実験事実の寄せ集めのような気もする論文ですが、タイトルがキャッチーですしオチは確かについています。
びっくりしたのはfigure7です。これは面白い再検討の価値があると思います。
”読書猿Classic: between / beyond readers”というブログのエントリーに
”あなたの知識は5年後には陳腐化する/理科離れと科学知識の更新コスト”という考察がありました。
科学技術者の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練の技術者が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、慣れぬ営業などに異動配属されることは、見慣れた光景となった。
自分の親がそうした憂き目にあったところを見た子供たちは、さて科学技術を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の科学技術」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の科学技術を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
とあるのですが、自分のことをいわれているようで背筋が寒くなりました。
例えば
麻酔科医の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練の麻酔科医が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、 CVC centerなどに異動配属されることは、見慣れた光景となった。
自分の先輩がそうした憂き目にあったところを見た研修医たちは、さて麻酔技術を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の麻酔技術」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の麻酔を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
レミフェンタニルをどかんと使いノルアドレナリンで血圧を維持しいざとなればロクロニウムを投下して最後にスガマデックスを使えばそれでいいのではないのか
こんな変奏とか
MD研究者の現在は、すでに決してばら色ではない。
老練のMD研究者が、新たな技術の登場によって退場する羽目になり、お前のような無能なやつは研究者とは言えないと研究費を減額され病院での労働を強要されることは、見慣れた光景となった。
自分の指導者がそうした憂き目にあったところを見た院生は、さて医学研究を学んでそれを職業にしようと思うだろうか。
現在の「最新の医学研究」を身につけても早晩陳腐化することを知りながら、現在の医学研究を学ぶことに時間と労力を費やそうと思うだろうか。
とか…
暗いですね。
もうこんな景色には未練はない、と言い切ってしまいたいのですが…
今週内でいれたカテーテル明日で7本だぜ、まったく。
今日7時少し前研究室でMac見つめていたら扉が開いてタロウちゃんだと思った瞬間、北向きの窓が真っ赤に染まっているのに気づきました。信じられないような赤でデジカメでその一瞬をなんとか捉えようとしたのですが技術の未熟さか出来上がった写真では赤が十分ではありませんでした。こういう瞬間に人間は神の存在を感得するのでしょうね。 タロウちゃんが”神”だと言っているのではありません、念のため。
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