昨日の晩は当直でした。
あまり仕事をしたという感じもないままに21時には全部終わってしまいました。
最近には無かったことで満足です。
NEJMにこんな論文が
Expression of Follicle-Stimulating Hormone Receptor in Tumor Blood Vessels
N Engl J Med 2010; 363:1621-1630
意味合いは必ずしも明らかでないと思いますが、何かおもしろそうな報告です。
Natureに
The energetics of genome complexity
Nature 467 , 929–934 (21 October 2010) doi:10.1038/nature09486
という総説というか”hypothesis”が載っていました。 著者はNick Laneです。しかしNatureってホント好きですよね、ミトコンドリアのネタ。普通に必読論文ですね。
生協ルネ書籍部の9月のベストセラーリストが出ていました。
以下の通りです。
これから「正義」の話をしよう 92冊
有頂天家族 44冊
実験医学10月号 38冊阪急電車 38冊
科研費獲得の方法とコツ 33冊
ローマ人の物語38 32冊
ローマ人の物語40 30冊
細胞工学10月号ローマ人の物語39 30冊
実験医学、細胞医学とも雑誌なんですがなぜか本に混じってランキング入り。
これくらい売れているのですね実際にはこれらの雑誌。さすがKY大ですね、世の中からずれてます。
しかしなんで万城目学が売れないんだ。おかしいよ。
それはともかく、季節柄「科研費獲得の方法とコツ」がランクイン。みんな悩んでいるんですね。結局ぼくはこれは読みませんでしたけど。狙っている金額もたぶんまったく違う場合違う戦略が必要だと思います。基盤Aと萌芽、基盤Cの書き方は自ずから違ってくる。
人生いろいろ申請もいろいろです。
財団関連ではある程度のコネは必要だろうし学内選考もあります。いくら気合いを入れて書いてもまたpublication listがある程度でもその程度ではぼくの大学ではぼくがその選考に掛かることはまずありませんので書くだけ時間と労力の無駄です。自分の研究計画を見直すきっかけにはなるのかもしれませんけど。
その観点からいえば文部科学省や日本学術振興会のいわゆる科学研究費はすごく公平なのかもしれません。
つまり、申請書がしっかりしていれば採択されるわけです。
そしてしっかりした申請書って結局は日本語がしっかりしているということだと思っています。
要するに何が言いたいかわからない申請が多いのです。
構成も論理的でないし、頭の中の未分化な発想を人に話すように書いてあるような申請では本来は採択に値する内容ものも採択されません
とうわけで結局は日本語を見直せ、ということで、「日本語作文術」ですね。
ついでに科学研究費の審査への不満を。
審査にはもう少し計量的なつまり客観的な要素を入れてほしいと思います。
論文の質x量を定量する指標はいくつか知られていて複数使えば当たらずとも遠からずの結果がでます。まずそういった指標でスクリーニングしてほしいです。
そういうやり方で掬えない「天才」はいると思いますがそれはそれで別の回路で見いだされていけばいいので税金を使ったもっとも基本的な研究費で手当てする必要は無いと思います。白眉は勝手に伯楽にでも見いだされればいいのです (参照)。
初めてPIになるなどの若い人の評価は別に行う必要はあると思いますがいまでも若い人と女の人は優遇されているとおもいます。これ以上はいらないでしょう。
publication listはその研究についてのその研究者の力量を保証するものの一つです。過去5年でその分野の論文が20以上ある研究者の申請を採択しない決定にはそれなりの理由が必要だと思います。
いまや雑誌のimpact factorなどでなく個々の論文の引用回数を瞬時に調べることができる時代です。それが可能な申請のフォーマットにしてそのような要素を審査に入れるべきだと思います。
「研究目的」とか「研究方法」とかいくらでもghost writingが可能であり、ghost writingで金とって商売している人もいるんじゃないかぐらいはぼくは思っているのですが、だからこの部分の記述がいくらすばらしくても研究が遂行できるかどうかはまったく保証されていないと思うのです。逆にこの部分が貧弱なのに20000千円要求していたら、おまえナメているんかいということになります。
最後にこれは審査とは別ですがもっと研究時間ください。
いまや臨床もしているぼくらのような”能なし”と見なされている研究者は研究などせずにせっせと赤字解消のために働けという風潮になっています。
危なくて人前に出せない人には十分な時間が与えられてそれ以外の者は病院で精根尽きるまで働くというありさまでは出口無しですね。
研究室では Macbook Airの話題が花盛りです。 11.6 inch、実物みるとほんとすごくかわいいらしいですよ。もうかわいくてかわいくて思わず触ってしまわずにはいられなくくらいだとか。
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