基礎生物学研究の成果が現実に健康増進に役立つことは、それを直接の目的とすると明確に謳った研究に従事する研究者だけでなくおそらくすべての研究者が望んでいる事でしょう。
しかし実際に研究成果が直接日常の臨床医療に応用されるという幸運はそうたびたびある事ではありません。
最近10年のノーベル医学生理学賞を見てもこれに該当すると思われるものは以下の三つくらいでしょう。
・循環器系における情報伝達物質としての一酸化窒素の発見(1998年)
・核磁気共鳴画像化法に関する発見(2003年)
・ヘリコバクター・ピロリ菌の発見と胃炎や胃かいようにおける役割の解明(2005年)
iPS細胞の研究などは、晴れてノーベル賞となれば、これらの仲間入りをする可能性は高いすばらしい研究と思います。
一方で臨床は現場で格闘する医療従事者がある限り日々進歩しています。
3/23の日曜日の日本経済新聞のコラム、”かがくcafe”というコラムを読んですこし驚きました。
その事を書いてみます。
ある大学教授の研究室の研究成果が紹介されていました。
ある遺伝子の変異をもったマウスがヒトの統合失調症と同じような表現型を示す、またその遺伝子の標的遺伝子を同定したところ脂肪酸と結合して神経発生の初期に重要な働きをしている遺伝子であった、ということ含むいくつかのげっ歯類を用いた実験事実を根拠に「太りたくないからと脂肪分を控えすぎると脳神経の新生が鈍り心の病につながる可能性があります」と結論つけていました。
読んだ後、考え込んでしまいました。



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