今日は職場の当直です。気づいたらまたこんな時間になっていました。
さて日曜日に近所の図書館で雑誌“世界”を読みました。その他の雑誌もまとめて読んだので1万円分くらい節約できたと思います。図書館が近いと便利です。
二月号の特集は”医療崩壊”です。(参照)
wikipediaによれば日本の”医療崩壊”を促進している要素をいくつかにまとめることができる。(参照)
つまり
捜査・司法機関による刑事立件・訴訟
医療民事訴訟
医療行政
初期臨床研修義務化
マスメディアによる恣意的報道
医療のコンビニ化
市民団体
今回の”世界”の特集は、特に医療行政に力点がこかれたいたと思いますが、その他に関しての言及もありました。
今回の世界の特集の目次は以下の通りです。
【対 談】
社会的共通資本としての医療をどう守るか
宇沢弘文 (東京大学名誉教授)、出月康夫 (東京大学名誉教授)【分 析】
医療費抑制政策からの転換を
日野秀逸 (東北大学)【皆保険をとりまく状況】
国民皆保険——本当のところはどうなんだ?
中村十念 (日本医療総合研究所)【崩壊の現場から】
産科医療の現場の窮状をわかってほしい
海野信也 (北里大学)【地域での高齢者ケア】
高齢者医療はどうあるべきか——後期高齢者医療制度批判
増子忠道 (柳原診療所)【提 言】
医療制度再生への挑戦
櫻井 充 (参議院議員・医師・民主党)
森田 高 (参議院議員・医師・無所属)
”社会的共通資本としての医療をどう守るか”、”医療費抑制政策からの転換を”では今日の”医療崩壊”の原因として、医療費抑制行政が一番大きな間違いであったと指摘しています。小泉政権が崩壊のカジをきったという議論です。宇沢氏などは経済学者が悪い役割を果たしたとまで言い切っておられました。
医師の待遇が日本では、低すぎるとも宇沢氏は述べているのですが、いったい医者の収入はどれくらいが適切だというのでしょうか。彼がいたシカゴ大学では、医学部の教授の給料は経済学部の教授の3倍程度がデフォールトだったということですが,今の日本の国立大学法人でこんなことはとても実現不可能でしょう。診療を行う教員と行わない教員の給料が同一俸給表で支払われているというのはとてもおかしなことだと思いますが..
がっかりだったのは「提言」と題された参議院議員二人の対談です。二人とも医者なのですが、聞いた風な議論に終始して決定的な方策が提示されていません。
と考えていたところ、毎日新聞の1/30夕刊の”雑誌を読む”でこの世界の特集が取り上げられていました。
武田徹さん(参照)が担当されています。
医療費の増額といってもOECD上位10位まで国民医療費を引き上げるとして約9兆円の国庫補助が必要なのだそうです。これほどの予算をつぎ込み、年間8000人に2000人上乗せした医師を生み出し続けるということは実は並大抵のことではありません。9兆円使うとしてどう社会的な合意を形成していくのか、果たして日本でそのような合意が形成されることが可能なのかという問いかけです。国会議員二人の議論でもここら辺にどう切り込むかの視点がないので、いわゆる威勢のいいだけの”民主党的”な無責任なものに読めてしまうのではないのでしょうか。
そして武田氏は、「要するに目先の正しさにはこだわるが、善悪のビジョンを共有しつつ社会的なコンセンサスを得てゆく事が不得意なの」が日本社会だと主張しています。”生物と無生物のあいだ”の福岡伸一氏は雑誌”論座”で日本社会の「質」として「真のレベルから善のレベルに判断基準が移るところがあまり成熟していない」と表現しています。これはうまい表現ですね。
この毎日新聞のコラムは大変参考になりました。医療崩壊を巡る様々な議論にぼくが抱いていた違和感の理由が理解できたような気がします。



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