米国にいたときにびっくりしたことの一つは新年はあっさり二日からはじまるということでした。だからではないのですがぼくの今年も今日からスタートです。日当直です。手術麻酔は現時点でないのですが救急外来に出入りしていました。却って消耗しました。
外はどんどん冷えてきているのでしょう、研究室の温度が下がってきています。あったかい麻酔科の控え室に移動してしまおうと計画しています。
毎年 New Year’s resolutionsを明らかにしていたような気もしましたが、調子のいいときは上手くいくしダメなときはお手上げという気もしますので今年はやめておきます。
年末はテレビを結構見ました。
NHKのBSHiで太宰治の特集をまとめてやっていて意識的にパスしたいくつか意外ほとんど見てしまいました。
知る楽 こだわり人物伝 太宰治 女(わたし)が愛した作家 <全4回> 第1回
第1回「ロックな作家」【講師】作家…角田光代,【語り】室井滋
(第4回目はランディー田口が登場するということでパスするために時間を見計らって買い物にでかけました。たぶんこれは見なくて良かったと信じています。)
太宰治の小説とくに”人間失格”はこれを読んだ後”この主人公は自分だ、と思う人とそうでない人に、日本人は二分される”ー新潮文庫の帯に書いてある言葉ー、という事実を角田さんも指摘していました。中学生、高校生の自分に太宰治を体験すればこれはまさに自分のことが書かれていると思うし、大学生になって太宰治に熱を上げているのはすこしおかしな感じがする、それを経て40歳を超えればやっぱり太宰治は人生に無くてはならない作家のひとりだと思うのです。
これは見てよかった。
出演&朗読:山下リオ
朗読は朗読なのですが、小説がそのまま朗読されているわけではないのです。適当に端折られて時間内に収まっているのです。次の田畑智子さんの朗読と合わせて特に良かったです。年末に堪能しました。
【朗読】田畑智子
ハイビジョン特集「太宰治“人間失格”裁判」
これはどうもよくわからんかった、もう一回見ないと。とにく小倉千加子の行っていることが全然分からんかった。
ハイビジョン特集「“津軽”~生誕100年 太宰治と故郷~」
こっちは、去年見たドキュメントのbestといってもいいくらいの番組でした。最後のほう十三湖まで”たけ”を訪ねるあたりの感じにグッと来てしまいました。
太宰治の小説は最後に”オチ”があります。
「けさ、おゆるしが出たのよ。」奥さんは、また、囁く。
三年、と一口にいっても、――胸が一ぱいになった。年つき経つほど、私には、あの女性の姿が美しく思われる。あれは、お医者の奥さんのさしがねかも知れない。
は「満願」”おゆるし”が何か知りたい人は小説を読んでください。すこし笑います。
私を忘れないで下さいませ。毎日、毎日、駅へお迎えに行っては、むなしく家へ帰って来る二十はたちの娘を笑わずに、どうか覚えて置いて下さいませ。その小さい駅の名は、わざとお教え申しません。お教えせずとも、あなたは、いつか私を見掛ける。
は「待つ」
さて、古聖人の獲麟を気取るわけでもないけれど、聖戦下の新津軽風土記も、作者のこの獲友の告白を以て、ひとまづペンをとどめて大過ないかと思はれる。まだまだ書きたい事が、あれこれとあつたのだが、津軽の生きてゐる雰囲気は、以上でだいたい語り尽したやうにも思はれる。私は虚飾を行はなかつた。読者をだましはしなかつた。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行かう。絶望するな。では、失敬。
は「津軽」のラストです。こんな言葉と共に研究を辞めるのがぼくの”夢”なのです。
そして
おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。
は「女生徒」で
「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」
この有名な文章は「人間失格」のラストです。
と言うわけで、今年も太宰治的に道端を歩いて行こうと決意しました。
と言いつつ今年は原著論文は9つ出すよ。すでに3つは確定しているので後6つです。頼みましたよ。
女自転車ふたり旅 in ハワイ 二人のビッグ・アイランド
もよかった。
”長澤まさみ”さんとと”水川あさみ”さんの二人がハワイ島をサイクリングして廻るというよくある単純な企画なのですが、これが面白い。農場をやっている日系のおじさんが二人を姉妹かと尋ねる場面があっていやちがうというのだが、名前がMASAMIとASAMIでやっぱりよく似ているというオチがつくあたりでなぜか感動してしまいました。似てるよ確か。この二人とハワイ紀行を撮影したスタッフがうらやましい。
結局沈黙の艦隊読みきりました。”モーニング”でfollowしていたはずなのですが、完全ではありませんでした。全部を一気読みして良かったです。
戦闘には必ず明確な目的を与えるのだ
という海江田艦長の言葉が残りました。
医療戦略の本質―価値を向上させる競争
と
厚労省と新型インフルエンザ (講談社現代新書)も読みました。
インフルエンザの方は何言っているのかよくわかりませんでした。
医学部を出た優秀な学生から、内科や外科といった花形の医局に引き抜かれていったのです。しかし箸にも棒にもかからない学生たちがいました。その人たちは当時人気のなかった厚生省に入りました。そして入ってから何十年かしてみると、いつのまにか局長などのポストに座っていたのです。それがいまの医系技官の幹部たちです。
とか書いてあるのですが本当か?
さらに年末びっくりしたことは
NHK青春ラジカセの発見です。
“こんばんは渋谷陽一です”という声を聴いて涙が出てしまいました。ぼくが高校生だったときに効いた番組で覚えている番組もあるんですよ。感動しますよ聴いたら。
ちなみに曲は著作権の関係か端折ってあります。
TV番組でもそうですがNHKはやっぱりすごい。
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