月曜日の午後ぼくと研究を進めてきたW松先生の学位審査の為の講演会がありました。
プレゼンテーションのパートは予演会と比較して格段に良くなていたと思います。
質疑応答では、かなり上がっていたのでしょうか、どうっていうこともない問いへの返答に曖昧であった部分もありました。
また審査委員の質問に迎合的な受け答えをする必要はまったくなかったと思います。堂々と自分の主張を展開すれば良いのです。審査員が自分より当該分野において学識が高いとう前提が先験的にあるわけではありません。
今まで10回以上学位の審査にいろんな立場で立ちあっていますが今日の某教授の質問というかコメントと言うか試問ははじめてきく面妖なものでした。
今回の学位の審査に提出した論文はぼくの研究室ですでに確立しているいくつかの実験手法を利用してある薬剤の細胞の低酸素応答への作用を検討したものですが、それが問題だというのです。
ぼくは学位というものは特別に新しい発見をしたとかそういったことに与えられるわけでなくその個人の独立した研究者として研究を遂行する能力に与えられるものだと思っていました。つまり既存の方法論を用いてある種の問題を解く力が備わっているのであればそれは学位に値する、というふうに考えていました。実験がくだらないとか結果が平凡であったとかそういったことで学位は否定されるものではなく論文が立派であっても試問の結果馬脚が現れてしまったような場合には学位は危うしということになっても仕方ないということです。既存の方法論をそのまま援用した研究に問題があるのであれば例えば遺伝子をノックアウトして”予想もしなかった”表現型が出たという実験事実を報告した論文では学位は取得できないということになるのではないでしょうか。犬もあるけば棒にあたる実験は額に値しないのか
あの試問の仕方には大きな問題があったと思います。久々に腹が立ちました。
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