年末から家にこもって出かけるのは止めようと思っていたのですがじっとしているのもたまらず駅まで散歩に出かけました。
元日ですが普通の休日となんら変わりのない風景でした。太陽が出ている限りは穏やかな午後でした。
スターバックスもいつも通り満員でした。ネットもつながるし pocketWiFi忘れても問題なし。1時間ほど集中すると結構進みます。
昨年からnew year’s resolutionなどを書き付けることは止めました。
年末にイシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」を読みました。
書いてあることがいちいち納得できるものでした。
というよりissue drivenはぼくの方法論です。
生産性(=成果/投下した労力x時間 または成果/使った研究費)は高い方ではないかとあくまで密かに自負しています。
でかい成果が出ないのはこれは仕方ないです。こんなのは運もあります。しじたばたしても仕方ありません。過去の経験では、続けていたらそのうちドンと出ますよ、きっと。麻酔科領域内での評価などもほとんど関係ありませんしね。
どんな小さな論文でもissueというか解くべき課題を設定してそれを解決することを目標に研究を進めています。問題を設定してそれを解くという営みからは十分な知的満足を得ることができます。
研究室と言ってもぼくを含めて5人のグループで学生はぼくにとっては十分に優秀です。
このように基礎研究では”issue driven”な方法論はよくworkすると思います。
問題は研究費です。これが無いと本当に何もできません。集めるはそれなりに大変ですがそれはそれで何とかなっているので今までやってこれたのだと思います。
問題は、臨床の現場のマネージメントです。
麻酔をすること自体は簡単では無いにせよ始まれば知恵を絞ってやり遂げないわけにはいきません。時間は一方向にしか過ぎていきませんので長くとも24時間ほど踏ん張ればたいていの手術は終わってしまします。
ぼくの職場の一つは手術室が6つの小さなユニットですが麻酔科医は9人くらいの先生に関与してもらっているし看護師さんも20人ほど働いています。他科の先生も多数出入りします。
5人の研究グループをまとめるのとは違いこれをまとめるのは大変です。目標をどう設定するからして難問です。すでに手術数は施設の規模から判断して飽和しています。あとは質をどう高めるかなのですがこれが難しいのです。
もう一つの手術室の方ではこれから5年くらいの基礎作りが今年できるかどうかこれが一番大きな課題です。今年でできなければ来年までかかってもやり遂げる必要があります。
ここらへんが今年の目標です。
ケーブルテレビで
突入せよ!_あさま山荘事件
と
OPV
見ました。
研究室の全員がtwitterにアカウントを持つようになりました。
夏のツイ呑み会しますか梅雨が開けたら 今日もらったビラ中央の机に置いておきました。「欲張りプラン」で4200円。
オフ会というのかなんというのかそこではアカウント名でお互いを呼んだりしてすこし不気味な会になるなたぶん。
”タロちゃん”とか”コロスケ”とかdeepが呼んでいたりして…やっぱりかなり不気味だね。
少し前に興味深い論文があったのですがしっかり読んでいませんでした。
この分野に素人のぼくには結構難解で多分この論文の論点を十分は理解していないと思うのですが、ハイポキシア生物学として読んでも得ることろはたくさんあると思いました。
Cellからです。
Cell, Volume 141, Issue 5, 872-883, 13 May 2010
生理的な酸素濃度下で培養することによって、X染色体不活化前のマウスES細胞様のヒトES細胞を樹立したという論文です。
IVF由来8細胞期胚を融解して5% O2下で胚盤胞期まで発生させ、生理的な酸素濃度(〜5%, pO2, 36mmHg)および従来の大気中の酸素濃度(〜20%, pO2, 142mmHg)の培養条件下でヒトES細胞の樹立をそれぞれ三つと一つ樹立した。
5% O2条件下で樹立した細胞株を20%O2条件下で培養して遺伝子発現の変化を網羅的に検索したことろHIF pathwayにのっている遺伝子は軒並み発現抑制されたがさらに慢性的に20%O2環境に暴露すると多くの遺伝子の発現は 5%O2条件下のベースライン状態に戻った。20% O2曝露後でも発現変化を維持している遺伝子も198個同定された。OCT4, SOX2, NANOGなどのコア多能性遺伝子の発現には有意な変化は認められなかったのですが、神経外胚葉、栄養外胚葉、中胚葉、胚体外内胚葉、臓側内胚葉遺伝子が、20% O2曝露後に誘導された。つまり、20% O2曝露は、多能性を有意に損なうことはないが、一部の細胞の分化を促進するのだろう (This suggests that the exposure to 20% O2 does not significantly compromise pluripotency but may promote differentiation in a fraction of the cells)。
ここら辺から難しいのですが、女性細胞株におけるX染色体不活化(XCI)の状態を酸素分圧と酸化ストレスなどど絡めての解析が進みます。20%O2で培養するか5%O2条件下で培養するかでXIST遺伝子発現が異なり例えばヒトES細胞において不可逆的なXCIを起こすのには大気中O2曝露で十分である。抗酸化剤処理培養実験によって、酸化ストレスの阻害することが、大気中のO2曝露後の早発性XCIからヒトES細胞を救うことが示された。
5%O2環境が生体内で果たす重要性がES細胞にすごい重要な意味を持っていることがよくわかります。
5%O2環境はとても微妙な条件です。例えば、Chuvash型の VHL mutationなどはここらへんの酸素分圧で重要な意味合いを持つのかもしれません。またこのような過程に細胞内の代謝を絡めていくともっと面白い解析ができるかもしれません。
PLoS Geneticsに
PLoS Genet 6(6): e1000994. doi:10.1371/journal.pgen.1000994
という論文がありました。
かなり示唆的ですこし詳しく読んでみようと思います。
読売新聞でいきなり「メイスン&ディクスン」の書評が登場していました「独立前夜 アメリカ膝栗毛」。これは面白いですよ。今「上」の1/3くらいまで進んでいます。
先生とわたし が新潮文庫で出ていました。これは身につまされる本ですね。とにかく読んでみたら良いと思います。たったの500円で世の中の見方が変わるよ。
iPhoneって組み立てには$6.54しかかかっていないそうです。(参照)
New York Times から引用
ひとで不足でこんな感じで工場ではたらく人を集めているようです。すごいね。
週末にその数学が戦略を決める (文春文庫)読みました。
こっちに書いてみました。
エントリー医学部の学費は値上げすべきだ読みました。
最近奨学金を出して田舎に医者を縛り付けようという制度がそこここで始まっていますが、こんな感じのローンが一般的になってくれば一括返済ではいさようならということも可能ですよね。医学生でなくリアルに医者になった人に 3000万くらい貸しつけて焦げ付くことはないのだから。
しかしこの制度30年前にあったとしてうちの親は踏み切れなかっただろうな。そもそもぼくを大学にやるという発想が無かった人たちですから。
結局6年で大学に払った学費は 150万円くらいだったような。研究を始めて一年で元を取りました。
結局”走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)”も買いました。アパートに置いておく分です。
しかし気分が晴れないな。なんであんなことするのだろう、理解できません。